飛翔

日々の随想です

2013-01-01から1年間の記事一覧

和名が可憐

綺麗な花がひっそりと咲く時期となった。 名まえは西洋風に呼んでも素敵だけれどが、和名はさらに素敵。 和名は「冬姫牡丹」 クリスマスローズ。 地味な花なのに美しい。 人は悲しいとき、さみしいとき、雪月花に心を寄せる。 物言わぬそれらに自らの心を投…

簡単ゆず茶のつくり方

庭の柚子(ゆず)の木に実がたわわに実りました。 庭の一角に黄色い明かりがともったようで、一足早いクリスマスツリーならぬ柚子ツリーを楽しんでいます。 一本の小さな苗木から育ったものです。 一年目はアゲハ蝶の幼虫に葉っぱを一晩で全部食べられて丸坊…

登校拒否と「正訳にたどりつけない翻訳家」

テレビドラマをを見ていたら、夫が珍しく「この女の子、いいね!」と言い出した。 ドラマをみることはめったにないうえ、感想を言うこともめったにないのでびっくり! 「いいね」ってどういう意味?と尋ねると、 「よごれていない感じ。まっすぐでいい」と言…

das gelt の話

今日は旅から帰って一週間ぶりに老人施設に出かけた。 認知症が快方に向かっていると思われる90歳の婦人の調子がどうか心配になって恐る恐る話しかけると 不安な心模様をぶつけてきた。あ!また元に戻ってしまったかと思ったが、そんな気持ちを悟られてはな…

いつまでも捨てられないもの

日が暮れるのが早い。 旅行に行く前に片付けものをしようと思いたったのはよいけれど、納戸(なんど)に入ったまま一日が過ぎた とにかく捨てないでとってあるものの山だ。 先ずはこれらを一大決意して捨てねばならない。 母の手紙が出てきた。もう二度とも…

当たり前の尺度

入浴中にくも膜下出血になり、浴槽に沈んでいたところを発見されたのは、10年前のことだった。 肺に水がたまって肺水腫になった。自呼吸ができずに、人工呼吸器がつけられた。手術は成功し、人工呼吸器がはずされたが、呼吸の苦しさはしばらく変わらなかった…

松風(茶の湯)

我が家にはよく外国人が遊びに来てくれます。 各自が持ち寄るお得意料理を囲んで飲んで食べてしゃべって歌ってと賑やかです。 でも今日のお客様は一人。 「外国人」というレッテルを貼ってひとりの人間を見てはいけないと教えられる人です。 彼女はいつも「…

新しい朝

今日もまた、新しい朝が来た。当たり前だというだろう。そう。当たり前の事象だ。 しかし、この当たり前のことが大切なのだ。当たり前のことがどれだけ大切なことか失って初めて気づくことである。 嫌なことはひきずらないことだ。もうさっさと忘れること。…

遊びをせんとや生れけむ

愛犬の散歩で仲良しになった小さな女の子。無防備で疑うことを知らない純な瞳。 一緒に並んで原っぱに座る。大きくなった私が小さかった昔の私に出会ったような錯覚におちいる。 二人とも子どもとか大人とかいう感覚がない。野原でであった友だち一緒に四葉…

肝に銘じる言葉

こんな言葉を肝に銘じておきたいと思う。 「成功者になろうとするのではなく、価値のある人間になろうとしなさい」 A・アインシュタイン「人生を最も気高く使う方法は、人生が終わってもまだ続くような何かのために、人生を使うことである。」 W・ジェームズ

ハイフェッツを聴く夜に

小雨がそぼふる寒い土曜日。 『停電の夜に』を読みながらハイフェッツを聴く。 こんな胸を締め付けられるような秋の日はカミソリのように鋭く感性を切り裂くハイフェッツがよく似合う。 がらにもなく、おセンチになって涙がこみあげてきた。 まったく・・・…

花を買う日

社会の第一線で活躍している夫をまぶしく感じることがある。 そしてふと寂しくなる瞬間がある。 いつも互角でいようなどと云うのではない。家庭にあって夫の支えであればよいではないかと云う考えもある。 実際はそのとおりであり、未熟ながらも支えているつ…

惜別の情

「女の髪は命」だなんて昔の言葉? いえいえ、今も命とまではいえないけれど、たった1cmのことで一喜一憂するのが女。 いつも行きつけの美容室の美容師さんが突然家庭の事情で辞めてしまった。 私の髪は美容師さん泣かせの難しい生えぐせを持っている。小…

アルツハイマーがピーナッツバターで診断できる?

ピーナッツバターにまさかの使い道がありました。 ある特定の香りが、リラックスや沈痛作用があるのは知っていましたが、まさか病気の発見にもつながるとは。それも、ピーナッツバターの匂いとは。 アルツハイマー病は、まず嗅覚に関係する嗅皮質、特に左脳…

誕生日のお菓子

10月生まれの人が多いですね。 我が家でも夫が今日お誕生日でした。 リクエストのロールケーキとくるみがたっぷり入ったパンプキン・スコーンを焼きました。紅茶は友人からいただいた新宿高野の「バラとレモンの紅茶」です。 知多半島で採れた鯛の尾頭付き…

認知症は治る?!

奇跡のような出来事が展開しだした。 認知症が進んで殺されるという妄想と誰かが侵入するという恐れにさいなまれておびえて半狂乱だった人に寄り添って数ヶ月。 今月になって、嘘のように元の知的でウイットに富んだ人に変容した。 不安要素を一つ一つなくす…

日常と幸せ

勉強会で誰かが「日常のありふれたものには感動がないのか?」と言い出した。 私は昨日読んだ神吉拓郎の短編集17作がとっさに思い浮かんだ。 彼は「日常のありふれたもの」をさりげなく切り取って直木賞をとった。 庄野潤三の作品もさりげない中にいぶし銀の…

栗の渋皮煮が入ったケーキ

週末になったので久しぶりにケーキを焼いてみました。 栗の渋皮煮をたっぷりと贅沢に使ったパウンドケーキです。 どこを切っても栗がたっぷり顔をだすおいしいケーキです。 ラム酒も入っているのでしっとりしています。

突然に

認知症が環境の変化で著しく進んでしまった人が、今日訪れたら、別人のようになっていて驚いた。 元の凛として知性にあふれて英語を駆使してお話しだして驚いた。 毎日、不安要素を取り除くよう、地道な努力をしてきた成果がでたのかもしれない。 嬉しくて涙…

ハロウイーン

ハロウィーン(Halloween, Hallowe'en)は、ヨーロッパを起源とする民族行事で、毎年10月31日の晩に行われます。 ケルト人の行う収穫感謝祭が、他民族の間にも行事として浸透していったものとされています。 ケルト人の1年の終りは10月31日で、この夜は死者の…

生きていくということ

日々老人施設を訪れていると、「命」「生きるということ」について考えさせられる。 長い人生でいろいろなことに遭遇する。病気や災害、天変地異にあうこともある。昨今では原発による人災にもあう。また戦争などに巻き込まれることもある。そうした災害や病…

失礼な人は今?

写真はイタリア・ベネチアの仮面カーニバルで撮影したもの。 他人は私に対していろいろな感想を持つ。 「百合子さんは、もしかしたら家庭的な人だったりしてね」 と、言った男性がいた。私はもしかしたら家庭的でない人に見えるのだろう。 実際私は家庭的と…

無鉄砲をかついで

皆さんはご自分の弱点、あるいは欠点についてどういう思いをいだいているでしょうか? 私はある人にこういわれました。 「あなたって、もし戦争があったら、真っ先に敵陣へ突進して行く性格ね」 人間と言うのは、自分が自分を悪く言うのはなんともないけれど…

茶の湯(おもてなし)と一期一会

茶道を知らない人や興味がない人は「お茶」というものはお茶をたてて、客は飲むだけのものと思う人が多い。 しかし、お茶はおてまえをするだけでなく、いいろいろなことをふくんでいて面白い。 その一つに「炭手前」(すみでまえ)がある。 これは釜の湯をた…

ランチ女子会

今日はカウンセラー仲間で元クラスメイトのFさんと名古屋マリオットアソシアホテル でランチ会を楽しみました。松茸ご飯とおいしい御膳の品々に舌鼓を打ちました。その後51階のプライベートラウンジでお茶を飲みながら4時間もおしゃべりに花が咲いて久しぶり…

「猿も手を組む秋の風」

季節や気温と云うものは人間の行動や感情に微妙な風情を喚起するもののようだ。 だんだん涼しくなって秋も深まる頃になると、もの思いにふけったりする。 思索にふけるとき、懐手(ふところで)をしたり、無意識に手を組んだりするものだ。 そんな様子を元禄…

かんなづき【神無月、十月】

今日は夫が休みがとれたので、午後から二人揃って老人施設を訪問した。 いつも悲観的な思いにとらわれている人が夫の言葉に笑顔になって、お茶目なことを言って周りを笑わせて驚かされた。 珍しい人の訪問はやはり施設に入っている人たちには刺激となって、…

人生九十年

人生九十年あまりを生きてきた人の愁歎は深い。 九十の齢(よわい)の果ての秋さびし

虫干し

風も涼やかに、空高く、空気は澄んで行楽にスポーツに絶好の日和の今日。 どこかに出かけたいのはやまやまなれど、からっと晴れた日は虫干しと決めていたので押し入れの片付けと衣類の虫干しに一日費やされました。秋冬物をだし、虫干し、アイロン掛け、押し…

「ごん狐の里」に咲く百万本の彼岸花

新美南吉の童話で知られる「ごん狐」の里(愛知県半田市岩滑町)は彼岸花が満開です。 平成2年のこと、新美南吉と同じ岩滑(やなべ)に生まれ育った小栗大造さんは、壮大な計画を思い立った。 それは「ごん狐」に出てくる矢勝川の堤をキャンバスに彼岸花で真…