飛翔

日々の随想です

2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

祇王にあいたくて

今日で十月も終わり。 十月の終わりを飾る今日は快晴。 昨日の雨も上がり、空気は澄んでお日様は燦々と部屋の中に差し込んで身も心も温めてくれている。庭のハナミズキには真っ赤な実がつき、小鳥がついばみにくる。葉は紅葉している。 布団が干された庭はな…

雲の誕生―有元利夫作品集

雲の誕生―有元利夫作品集有元 利夫新潮社このアイテムの詳細を見る38歳という若さで世を去った画壇の寵児、有元利生。限定制作であったオリジナル銅版画集「NOTEBOOK](828385) 「限定版 雲の誕生」の4冊より46点を収録したものが「雲の誕生」何の解説も…

原書の書評

今日はいよいよTOEICの試験日。 TOEICとは国際コミュニケーション英語能力テストのこと。Test of English for International Communication。通称TOEIC(トーイック)は、英語を母語としない者を対象とした、英語によるコミュニケーション能力を検定するため…

付け焼刃

今日は最後の追い込みの日。と言っても、空はどこまでも高く青く、空気は澄んで絶好の行楽日和。 掃除をして,洗濯をして、昼食を食べ終わり、いざ勉強というとき、夫が、 「今日は日泰寺でお祭りがある日だね」 と言い出した。 誘惑の魔の手には昔から弱い…

『打ちのめされるようなすごい本』

打ちのめされるようなすごい本作者: 米原万里出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/10メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 224回この商品を含むブログ (74件) を見る米原万理さんの絶筆となった闘病記を収録した最初で最後の書評集。 新聞の書評欄を担当…

いつだって青春さ!

今日は秋晴れの良い天気だった。 心も爽快に晴れあがって久しぶりに花でも買いに行きたい気分になった。授賞式には出席しようと秋田行きの飛行機とホテルを予約した。一泊して秋田市内でおいしいものを食べ、翌日受賞式にのぞみ、その足で帰路に着くという予…

「サイレント・マジョリティ(声なき大衆)」

かつて中日新聞では、隔週日曜掲載の田辺聖子のエッセイ「あめんぼに夕立」があって、これが滅法面白かった。 お聖さんの見た世相をぬる燗の日本酒を干しながら、ユーモラスな関西弁で小気味よく切ってみせてくれる。もうすぐ年末になると「忠臣蔵」をテレビ…

新編明治人物夜話

新編明治人物夜話 (岩波文庫)森 銑三,小出 昌洋岩波書店このアイテムの詳細を見る本書は在野の碩学 森銑三が明治の人物に関する逸聞、逸事などを新聞、雑誌、図書などから引用し書き綴った三十九篇である。 少しも堅苦しさがなく、あまたの資料をもとに明治…

スーパーマンはいる

父親コンプレックスの私だ。何十年と心の中に閉じ込めてもう、忘れたふりをしてきたもの。それが父親コンプレックスである。誰にも言わず、言えず、忘れたふりりをしているうちに、いつのまにか本当に忘れてしまったコンプレックスだ。 上二人が女の子であっ…

下駄占い

今日は美容院へ行ってきた。JR名古屋高島屋51階の美容室。 いつも帰りは階下のファッションブテイックをウインドウショッピングするのだけれど、今日はどこにもよらず、代わりに三省堂書店に入った。本屋へ入ったが最後、時間を忘れるのが常。2時に美容…

男女の仲

子供の頃といえば、外で真っ黒になって遊ぶ姉と違って、私はもっぱら家の中で本を読むのが好きだった。母が年をとってからの子だったせいか、また病弱の母が命をかけて産んだせいか過保護に育った。母の目が届く家の中で本を読むしかなかったともいえる。 た…

人に似て猿も手を組む秋の風

季節や気温と云うものは人間の行動や感情に微妙な風情を喚起するもののようだ。 だんだん涼しくなって秋も深まる頃になると、もの思いにふけったりする。 思索にふけるとき、懐手(ふところで)をしたり、無意識に手を組んだりするものだ。 そんな様子を元禄…

イヴの装ひ

昨日の雨があがった。 名古屋の日曜日は歩行者天国だ。久しぶりにおいしいランチを食べ、行く秋を散歩でもしながら楽しもうかという夫の提案に乗ることにした。 ベルベッドの帽子をクローゼットからだしてきた。 何の変哲もないシンプルそうにみえるけれど、…

あんぱん

とかくこの世は住みづらいものだ。 でも一番厄介なことは自分との折り合いがつかなくなるときかもしれない。 どうしようもない自分との相克に苦しんだ時期は私にもあった。誰かに相談するというものでなく、自分の弱さとの戦いである。日の光を見るのが怖く…

英文学入門

英文学入門 (1954年) (河出文庫)Amazon 本書は福原麟太郎が外務省研修所で講演したものである。 講演と言っても堅苦しくなく、自由闊達、縦横無尽に英文学を語ったもので、英文学の組織、思想、技術、シェイクスピア、ジョンソン、英国的笑い(チャールズ・…

新しいページ

今日は雨の中、新しい分野の勉強を始めるための下見に出かけた。 若い人のフレッシュな感覚が刺激となって楽しい一日となった。過去の見識にとらわれていては視野が広がらないということを実感した。 いろいろなジャンルの人と勉強するのがこんなに楽しく、…

リンゴのケーキ

リンゴのおいしい季節になりました。 今日のデザートにりんごケーキを焼きました。 切ると中から甘酸っぱいりんごがいっぱい! このケーキはバターを入れておらずりんごの甘みと酸味がおいしさの秘密です。 材料: りんご(あれば紅玉)2個 レモンの絞り汁 …

京都 法然院 夫が朝5時前から起きて庭の雑草と門の外の雑草をとりだした。 明日は雨か嵐か雪か? 綺麗になってすがすがしい佇まいになった。 いつも閉め切りになっている門を開け放っておいたら夫が「どうして門をあけておくの?」と聞いてきた。 「閉め切り…

扇子(せんす)と団扇(うちわ)

古典落語から駄洒落まで、「笑い」にはさまざまな味がある。 「お笑い芸人」などという言葉があるけれど、はたしてどれくらいの者が「芸人」といえようか? ただ舞台の袖から右に左にどたばたと移動するだけで「笑い」をとるものがいる。 あれは「笑い」とい…

せどり男爵数奇譚

せどり男爵数奇譚 (ちくま文庫)梶山 季之筑摩書房 本が好きで好きで、とりわけ古書に興味がある人が、本書を読まず通り過ぎるわけにはいかない。ことにあとがきが誰あろう、あの出久根達郎氏とくればなおさらのこと。さて前置きが長くなった。本書は古書業界…

秋の日のヰ゛オロンのためいき

毎日出歩いているが、今日は久しぶりの休息の日。しかし、せっかくの休息日は受験勉強となった。 今月末にあるTOEICの試験にそなえて追込みだ。とはいっても、ここのところまったく受験勉強をしていなかったので、にわか仕立ての勉強だ。英単語をおぼえるは…

"kiss & ride

"kiss & ride”という言葉がある。 通勤するダンナさんを奥さんが車で駅まで送迎すること(Kissは行ってらっしゃいとお帰りなさいのチュ!)を言う。 また"kiss & ride”駐車ゾーンができ、いまでは駅の周辺駐車コーナーをそう呼ぶところもある。 健康のため夫…

わが心の歌―望郷のバラード

望郷のバラード わが心の歌作者:天満 敦子文藝春秋Amazonヴァイオリニスト天満敦子さんの自伝である。 この人から発せられる不思議な天衣無縫な光彩に先ず惹かれる。そしてその名器ストラデイヴァリウス「サンライズ」から奏でられるたえなる音に驚き、魅了…

小さい秋み〜つけた!

近くの公園で写した秋 ガマズミの実が美しい 名前がわからない植物だけれど、葉が緑から黒に変化し、赤い実も黒に変化する。

本はこうして選ぶ・買う

私がイタリア旅行をしている間にコラムニスト、文芸評論家で、稀代の読書家である谷沢永一氏がお亡くなりになったことを知った。 谷沢氏は今は亡き開高健や向井敏をよき友として、コラムニスト、文芸評論家としてその名を馳せた。日本近代文学、書誌学、関西…

「ラファエル前派」を語る

先日来クリステイーナ・ロゼッテイについて、ガブリエル・ロゼッテイについて触れてきた。 今日はガブリエル・ロゼッテイとその周辺、ラファエル前派について書いてみたい。 Dante Gabriel Rossetti(1828〜1882)はロイヤル・アカデミー時代にラファエル前派…

さがしにゆく

さがしにゆくさがしにゆく 絵の中から 絵の外へ まっすぐのびていた道を 峠の向こうがわへ とばした風船を(詩集『いそがなくてもいいんだよ』岸田衿子 童話屋より)いそがなくてもいいんだよ作者: 岸田衿子出版社/メーカー: 童話屋発売日: 1995/10/01メディ…

芥川賞・直木賞よりもすごい賞とは?

本の題名は忘れたけれど、井上ひさしが、文を上手に書くには「血へどを吐くほど本を読め」とあった。 いつも駄文を書きながら、もうちょっとましな文を書きたいと思う。そう思いながらも、いつもの怠けぐせがでて、よく推敲もしないで載せている。時々読者の…

停車場

子どもと云うものは親がどんなに邪険にしても慕うものなのだろうか。 テレビの番組で嬰児の頃に育てられないからと言ってわが子を捨てた母を大人になった子どもが探す番組をやっていた。育ての親がどんなに親身になって実の親よりも愛情をこめて育てても、成…

男を男の中の男にする法

父親は三代続いた生粋の浅草育ちの江戸っ子である。貧乏人の次男坊である。「宵越しの銭はもたねえ」とばかりにきっぷがよく短気であった。 下町育ちの父に反して、母は山の手育ち。祖先の中には歴史の教科書に載っている者もいる。この異端のカップルが一緒…