飛翔

日々の随想です

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

武骨な愛

東京の実家の庭には、実のなる木があった。 柿、梅、柚子、山椒、いちじく、ざくろ。それらが季節の味を楽しませてくれたものだ。結婚して庭のある家に住むようになった。 その庭には、柚子と山椒の木を真っ先に植えた。 苗木から育てる楽しみがあった。山椒…

子供の頃から客人がお見えになるとお茶だしをするのは私の役割だった。年の離れた姉たちに半ば強制され、嫌な役割を押しつけられたからだった。母が客間で接客している間、洋菓子を出すか、和菓子を出すか考える。お客様のランク付けも自分で考える。 ちょっ…

NHKの朝の連ドラ「Come come everybody]を楽しみにしている。 ドラマの進行と同時に、何か不思議な既視感にとらわれてしかたがない。 それは英語。子どもの頃のおぼろげな記憶の中に朝起きる時母が [The sun is up .Get up early.] と、いって起こされた記憶…

「カムカムエヴリバディ」と傷と英語_b0411639_09424390.jpgベネチア、仮面カーニバルにて撮影 朝のNHKの連続ドラマ「カムカムエヴリバディ」に不思議な縁を感じる。キーワードは英語と傷今日の放映では娘「るい」の傷を 亡夫の実家の資金で治すか否かにかか…

いつも地味な着物に、白い割烹着を着て、朝から晩まで倒れこむまで働いていた母。 その母が本を読んでいる姿を見たことがない。私が高校生になって初めての夏休みのことだった。 有島武郎の『或る女』を読了して、読後の余韻に浸っていたとき、 母が「お茶に…