飛翔

日々の随想です

「カムカムエヴリバディ」と傷と英語_b0411639_09424390.jpgベネチア、仮面カーニバルにて撮影


朝のNHKの連続ドラマ「カムカムエヴリバディ」に不思議な縁を感じる。

キーワードは英語と傷

今日の放映では娘「るい」の傷を
亡夫の実家の資金で治すか否かにかかっている

女の子の顔の傷は、親にとっては身を切られるようにつらいこと。
どんなことをしてでも治そうとする。

次姉は幼いころ、事故で顔と頭に大けがを負った。
新聞に出るほどの事故だった。

姉が三歳。
私は産まれたばかりで、母は赤子の私に手をとられていて、
長女13歳に次女3歳の子守を任せていた時の事故だった。

顔と頭に包帯をぐるぐる巻いたままの姉を
病院から連れて帰る途中、
母は、川沿いを歩いていった。
長女13歳も後ろをついて歩いた。
川の中に入ろうとする母に長姉が声をかけた。

「お母さん、おうちに帰ろう!赤ちゃんが待っているから」

はっと我に返った母。

それからは母にとっても怪我をした姉にとってもつらい日々となった。

小学校時代は頭の怪我を見えないようにするため
頭に大きなリボンをつけた。
大きなリボンは目立つので妹の私もリボンをつけた。
そんな理由も知らず、学校では大きなリボンが流行って、
多くの子がリボンをつけるようになった。

学校が休みのたびに、母は日本中の名医を訪ねて姉の顔の傷を治そうとした。

高校生の夏、名医に巡り合って、
姉の顔の傷はほとんど目立たないぐらいに治った。
姉はもちろんのこと、家族全員が心から喜んだ。

それまでの間、心ない人の視線や、
「可哀相に」「どうしたのかしら?顔の傷」
という言葉に心をえぐられた。

学校の片隅で子供たちが固まりになっていると、
それは姉が顔の傷をはやされて喧嘩しているところだった。

妹の私はなすすべもなく、加勢できず、その場から逃げていった。
そんな自分のずるさに、いたたまれない少女時代だった。

姉は理由もなく、私を叩いたり、いじめたりした。
最初は逆らって叩き返そうとしたが、ある日を境に、じっとこらえるようになった。
無抵抗な妹に、さらにうっぷんが晴れずに、いじめは執拗になった。

そんな姉が私立の中学に通うことになった。
そこで英語に巡り合った姉は、
勉強に打ち込んで明るく活発な女の子になっていった。
英語に救われたのだ。
得意科目ができると、自信になる。
高校生になって顔の傷も治った。
ついにアメリカに留学するまでになった。

帰国したある日、
アメリカから姉の所へ国際電話が入った。
母がなにげなく電話に出てびっくり。
国際電話だったから。
あいにく姉は留守。

母は慌てたが、替わって電話にでる者はいない。
腹を据えた母はゆっくりと話し出した。
英語で
しかも、流ちょうな英語で!

お母さんが英語をしゃべった!

家じゅうひっくり返るような衝撃

私が中学生になった時、
「お母さんに英語を教えてね」
と言ったのに
実は母は英語ができるのだった。

母は夫にも子供にも自分の学歴を隠していたのだ。

✿ ✿ ✿
NHKの「カムカム英語」
「るい」はこの先どうなるのだろうか?
愉しみだ。



そしてわが家の英語の話はまだ先が続く。