飛翔

日々の随想です

2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「働く母」と「少子化問題」

歌人である松村由利子はかつて新聞記者として働くシングルマザーだった。 歌集『薄荷色の朝に』のこんな歌がある。 ・三歳の「世界で一番大好き」をわが盾として職場に向かえ ・愛それは閉まる間際の保育所へ腕を広げて駆け出すこころ 一首目は職場に赴くお…

雨の止みまの桜

雨と風が強い日曜日。 雨が止んだつかのま、近くの公園で散策を楽しみました。 桜は三分咲き。 虹が明日へと架け橋をかけていました。

お墓参りとチョッキ

年の離れた従姉(いとこ)は美人で女優をしていた。売れない女優と云うのはいつも貧乏だ。小遣いがたりなくなると、父の会社に電話をかけてきて、お昼をご馳走になり、家に来て泊まって行った。 子供心にも美しくみえた従姉は憧れの的。彼女は、手ぶらではき…

向井敏、百目鬼恭三郎に導かれて

今は亡き向井敏は書評と言うジャンルを小説や他の文芸作品と並ぶ位置にした書評家であり、評論家であった。今では素人からプロまでさまざまな人が書評を書くようになった。 書評家というとかつては<狐の書評>という覆面の書評家がいた。後年その素顔を明か…

「レンギョウの花が花ざかり」

雨にけぶる我が家の庭も、梅の花がつくばいの水面に散ってしまいました。 そのかわり、レンギョウの花が花ざかりとなりました。黄色い花も庭にやって来る小鳥たちがすべてついばんでなくなってしまいます。 小鳥に花をついばまれないうちにパチリとシャッタ…

菫ほどな 小さき人に生まれたし

菫(スミレ)が咲く季節になった。 スミレで思い出すのがあの漱石の句。 ・菫ほどな 小さき人に生まれたし(明治30年)漱石 小さな存在だけれど懸命に咲くスミレほど愛らしいものはない。 漱石はあれほど才能があったけれど、小説家としてスタートしたのは3…

距離を置く

渦の中にいると周りも自分も見えない。 渦の外へ思い切って出てみると、あら不思議。まわりの出来事や人のなりふりがよ〜く見えてくる。 つまり客観的に自分も外も見えてくる。 夫婦でも友人関係でも、仕事でも、こじれてきたら、いったん、距離をおいてみる…

貝殻忌

3月22日は「貝殻忌」 童話作家 新美南吉の命日です。 童話作家 新美南吉 宮澤賢治と並び日本きっての児童文学者として、今なお多くの人に 愛されている新美南吉は、半田市出身です。 29年の短い生涯に、「ごんぎつね」「てぶくろをかいに」をはじめ世代を超…

歩禅と書禅

目をつむって座るだけが禅でなく、瞑想でもない。 歩きながらふと気がつくと何も考えておらず、何も見ておらず、ただ歩いていた自分に気づくことがある。 「歩く禅」だ。 歩禅とは何か。座禅が座る禅行であることは、誰もが知るところ。歩禅は、 読んで字の…

有言実行

友人とランチをしていたとき、東京オリンピックの時、何かの役に立ちたいから一念発起して英語を勉強すると言い出した。 彼女にとっては一大革命だ。 それを聞いた私も大いに触発されて、また勉強しなおそうと決心。 一人でコツコツ勉強するのはなかなか大変…

連綿とつながる命

秒針がカチッと回ったとたん世の中が変わることはある。 あのベルリンの壁がなくなったとき、人類史上初めての発見をしたとき、命の誕生の瞬間など。 卵子と精子が結びつき、着床したとき、「生命」が宿る。 人間の場合、地球上の億単位の人間の中からたった…

文学は美味しいのだ!

久保田万太郎、白洲次郎、吉田健一、池波正太郎らが通ったそば処「よし田」で蕎麦を食べる。背中のリュックには古書店をはしごした釣果がずっしり。夜になれば 池波正太郎の『鬼平犯科帳』をもとに料理を作り、藤沢周平の作品に出てくる銘酒「九平次」を呑む…

シニアの卒業式

時は春。卒業式の時期となった。 塾を経営し、教師も兼ねていた頃は、この時期は「別れ」のときとなる。 今日は我が家で迎えた「大人の卒業式」のことを 思い出した。 その出来事を書いてみたい。 遠くに牛の鳴き声が聞こえる、ひなびた地域の、ある夜の出来…

冷蔵庫脇のメッセージボード

何かを買ったサービスに磁石付きの小型のホワイトボードをもらった。 声も録音でき、再生ボタンを押すと声が聞こえる仕組み。 留守をするとき、家族にメッセージを残すのによさそうだ。 今はメールやラインがあるのでリアルタイムにメッセージを残せるけれど…

鶯の初音

今朝は雨がそぼ降る中、鶯の初音を聞いた。 何か良いことが待っていそうに思うのはなぜだろう。 花が咲き、鳥が鳴き、雲が行く 雨が降り、風が吹き、人が逝く 人との交わりの中に雪月花あり 来る春もあれば行く春もあり 時の流れはとどまることを知らない。 …

3,11に思う

3年前の3月11日はフランスにいた。イタリア、フランスと旅をして最後のパリの宿についたのは11日だった。その日の天気と気温を知るためにテレビをつけた。フランス語放送のお天気予報を見て、次に英語によるCNNにチャンネルを切り替えた。するとどうだろ…

日記の効用

このブログを日記がわりにつけ始めて9年が経とうとしている。 三日坊主の私がよく続いたものだ。 公開しているにも関わらず、これだけ続いたのは、「日記」だからだろう。 たくさんのブログの中の一つである私のブログなど,通りすがりの,何かのはずみで見る…

ディナモ―ナチスに消されたフットボーラー

ウクライナ(首都キエフ)にロシアが介入(侵略)しようとして世界の目が注がれている。 ナチスが台頭した時代もこの地は餌食になった。その時代のサッカーに関するノンフィクションを紹介しよう。ディナモ―ナチスに消されたフットボーラーアンディ ドゥーガ…

ピパの唄

あかるい春の日差しを浴びながらロバート・ブラウニングの詩がふと口をつく。 上田敏の名訳によって時代を超えて広く親しまれた詩『ピパの唄』がそれだ。 Pipa's Song The year's at the spring And day's at the morn; Morning's at seven; The hill-side's …

まどみちおさんを偲んで

写真はグレゴリーコルベールの「ぞうの画像」 詩人のまど みちおさんがお亡くなりになった。 百四歳。 子供の頃歌った童謡数々の、「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」「ふしぎなポケット」「一ねんせいになったら」。 これらの歌をみんな歌える自分が嬉しい。…

街中のナイスショット

街中を散歩していると面白いものを発見する。 プロパンガスのボンベで作った表札&ポスト。 「グッド・アイディァ賞」を差し上げたいです。 焼き物の街ならでは。焼き物で作ったポスト。