3月22日は「貝殻忌」 童話作家 新美南吉の命日です。
童話作家 新美南吉
宮澤賢治と並び日本きっての児童文学者として、今なお多くの人に 愛されている新美南吉は、半田市出身です。
29年の短い生涯に、「ごんぎつね」「てぶくろをかいに」をはじめ世代を超えて愛される名作を生みだし、教科書には「ごんぎつね」が掲載され、多くの小学生の涙をながさせ、教室で議論がわき、感想が語られ続けています。
その新美南吉は美しくはかない詩、作品を多く書きました。
人は誰でも心のうちにかかえた悲しみをそれぞれに癒したり耐えたりして生きていく。そんな内なる悲しみを貝殻に、心を温めようとする南吉の詩を静かに味わってみたい。
貝殻
かなしきときは
貝殻鳴らそ。
二つ合わせて息吹きをこめて。
静かに鳴らそ、
貝がらを。
誰もその音を
きかずとも、
風にかなしく消ゆるとも、
せめてじぶんを
あたためん。
静かに鳴らそ
貝殻を