飛翔

日々の随想です

『枇杷(びわ)の花の祭』


新美南吉の詩に『枇杷びわ)の花の祭』というのがある。

それを紹介しよう

枇杷びわ)の花の祭

枇杷の花に、枇杷の花に、
祭があるよ。

ひだまりに、ひだまりに、
何かなるよ。

のぞいたら、のぞいたら、
小さい祭よ。

蜜ばちが、蜜ばちが、
祭してるよ。

何かしら、何かしら、
うれしいのだよ。

風なども、風なども、
祭にくるよ。

ぶよぶよと、ぶよぶよと、
たいこのやうだよ。

光るひる、光るひる、
祭ってゐるよ。

(『南吉の詩が語る世界』矢口栄著 一粒社)