2013-06-03 『枇杷(びわ)の花の祭』 詩歌に寄せるエッセイ 新美南吉の詩に『枇杷(びわ)の花の祭』というのがある。 それを紹介しよう 枇杷(びわ)の花の祭 枇杷の花に、枇杷の花に、 祭があるよ。 ひだまりに、ひだまりに、 何かなるよ。 のぞいたら、のぞいたら、 小さい祭よ。 蜜ばちが、蜜ばちが、 祭してるよ。 何かしら、何かしら、 うれしいのだよ。 風なども、風なども、 祭にくるよ。 ぶよぶよと、ぶよぶよと、 たいこのやうだよ。 光るひる、光るひる、 祭ってゐるよ。(『南吉の詩が語る世界』矢口栄著 一粒社)