飛翔

日々の随想です

2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

芥川賞の質の変遷

ここのところ毎日本を読み続けている。書評はあとでゆっくり書きたい。 熟読玩味の時間がながいゆえ、安易に書評をかけないでいる。月山作者: 森敦出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1974/03/07メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (7件…

8月の読書本

本の魔法作者: 司修出版社/メーカー: 白水社発売日: 2011/06/03メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (12件) を見る江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)作者: 江戸川乱歩出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1960/12/27メディア: 文庫購入: 16人 クリッ…

読書と受験

涼しくなってきたので、また勉強を再開。 半年という期間を決めて最難関という国試にチャレンジすることにした。1年でもよいのだけれど、短期決戦型の私は短い期間に集中して勉強しないとだれるから。 第一級アマチュア無線技士国家試験のときは受験申込用紙…

たまり場、しゃべり場

いつのまにか、我が家のダイニングは地域の人たちの溜まり場になってしまったようです。 ブラジル人一家。植木屋のおかみさん、ラーメン屋の親父さん、歯医者さん、消防署の職員、カウンセラー仲間、学生さんなど。 様々なジャンル、年齢の人たちが集まりだ…

街で見かけた花一輪

染物やの塀に素敵な花がいけてあった。 次は一般住宅の軒先にかけられたすだれに、活けられた花一厘。

人の評じかた

人や文の評じかたにはその人の知性や思慮の深さ、浅さ、品格というものが見えてくる。 人や文や政治、経済、書物に対して誰もが評論家たりえるけれど、その評じかたで墓穴をほりかねない。 「人をのろわば穴二つ」ということわざがあるけれど、得々として評…

Holes

Holesクリエーター情報なしYearling 英語から遠ざかっていた人や洋書の初心者には辞書なしで楽しく読める本です。 非行少年の更正施設での物語。非行少年の人格形成を目的と称して炎天下で1日中荒地に穴を掘るという過酷な仕事をさせるというなんとも非人道…

『爪と目』

爪と目作者:藤野 可織Shinchosha/Tsai Fong BooksAmazon 第149回芥川賞受賞作品の書評です。 「わたしは三歳の女の子だった」と唐突に登場する「わたし」。 父の愛人であり、母のミステリアスな死により義母になった「あなた」を見つめる「わたし」の目から…

洋書と和書

和書を読むのに疲れた時、気分転換、縦読みから横読みに変える。 つまり、和書から目を離して洋書を読むことにした。 気分転換なので簡単な英文の本にする。『Holes』に続いてSIDNEY SHELDONの『MASTER of THE GAME』を読むことにした。かつてベストセラーと…

虫の声の聞き分け方

エンマコオロギの声が聞こえるようになった。 日中は暑いのに、もう秋は足元まで近寄っている。 もうあと少し経つとほかの秋の虫が鳴く。鳴き声を聞き分けて、声の主を当ててみよう。「リィリイリイ」と鳴くのはコオロギの仲間のカンタン。 エンマコオロギは…

着火

私たち夫婦は結婚してほぼ半世紀が経つ。 すごいものだ。 何がすごいって、言葉のスレ違いがやたらに多い。 摩擦がおきそうだが、両方がマッチの軸なので発火しないで済んでいる。 しかし、着火したことが一度だけあった。 それは知り合ってまもないときのこ…

クロとぼく

今は亡き愛犬クッキー ちょっとめげて、おセンチになっている。 では、何センチ?な〜んて言っても誰も笑わないわね。 気分をまぎらわそうと散歩した。いつも待っていてくれる「ポチ」がいつものように狂わんばかりに私に飛びついてきた。 私も気も狂わんば…

心の豊穣

今日も残暑が厳しい一日だった。シナリオの勉強会に出かけたが、暑くて参った。 暑くても熱心に勉強会に来る人は優れたものを発表する。この世界は厳しい。良いものは良い、悪いものは悪いとはっきりと表れてしまう。いくら年月を重ねて努力している人でも、…

書痴

小説や詩、短歌を読むのは好きであるけれど、随筆を読む楽しさは格別なものがある。 特に書物随筆は楽しくて読書子にとっては読まないで通り過ぎることができないものである。 先ず「書物に関する雄」は森銑三と柴田宵曲著『書物』(岩波書店)をあげたい。…

新美南吉生誕100年

今年は児童文学作家 新美南吉生誕100年を迎える。 新美南吉が有名になったのはそんなに昔のことではない。 しかし今では小学校の4年生頃の国語教科書に登場する「ごんぎつね」が有名になり、全国の小学生の胸に感動を刻むようになった。 そして上皇后の愛…

読書亡羊

芥川賞作家の村田喜代子氏は 「優れた文章を書くためには、言葉に対する感度を養わなければならない。さて、それには、書くことと、読むことと、どちらに比重を置けばよいか。がむしゃらに書いても、我流が身につくだけで、他人には通用しない。まず良い文章…

モーツアルトの木管がなっている朝

朝ピアノの練習が終わった後、おいしい珈琲を淹れる。 近くのパン屋からパンを焼く香ばしいにおいが漂う。 庭の砂地にすずめがやってきて砂浴びをはじめる。 音をさせないようにカーテン越しにそれを眺める。 ふと、岸田衿子さんの詩が浮かんだ朝。 [草をわ…

シェイクスピアと与謝野晶子と憲法改正と

憲法改正するか否かについて議論がかまびすしい。 シェイクスピア時代の戦争感、特に女性の戦争に対する考えと、与謝野晶子の時代の戦争に対する女性の考え方を挙げ、現代にも通じるであろう、女性が思う戦争に対する感じ方を検討してみたい。 シェイクスピ…

母を偲んで

お盆ということもあって、亡くなった父や母、愛犬を偲んで夫としみじみ故人を悼んだ。 最愛の母が亡くなったとき、亡骸を前にして涙が出なかったのを覚えている。 突然の死を受け入れられなかったのもあったけれど、「死」というものを前にするとその存在自…

『戦争絶滅へ、人間復活へ――93歳・ジャーナリストの発言』

むのたけじ氏の話を黒岩比佐子さんが聞き手になってまとめた『戦争絶滅へ、人間復活へ――93歳・ジャーナリストの発言』(岩波新書)の5刷が決定したとのこと。5刷ということはそれだけ多くの読者の要望が強いことを表わしている。68回目の敗戦記念日の今日。…

真夏の夜の読書

矢沢永一氏が言った「読書の鎖鎌」。一冊の本から次々とそれに関連する本、同じ作者の違う本、その本にまつわる評論などと、鎖鎌にかけられたように、次々と読書の間口が広がっていく。 酷暑の夏とはいえ、寒い冬よりは私は好きな季節だ。絶好調の体調。 読…

だけど母さんがいない

お盆休みになって民族大移動のように、多くの人がふるさとへお土産を持って帰っていく姿がニュースで流れる。 「ただいま〜ぁ」と玄関をまたいだ途端に子供の顔になっている不思議。 懐かしい山川。めっきり年老いた父母。兄弟、友達、親戚。懐かしいふるさ…

コメント

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葦(よし)ずして囲ふ流れや冷やし瓜

今日も日本列島沸騰しそうに暑い一日だ。 名古屋地方は最高気温36度.高知ではとうとう41度になったとか。 外へ出ると紫外線にやられてしまう。子供の紫外線によるやけどが多いとか。皮膚の弱い子供に焼け付くような太陽光線はやけどとなるのだろう。日射を浴…

『本の魔法』

本の魔法作者:司 修白水社Amazon 第38回大佛次郎賞受賞作品である。 著者の司修は、戦後を代表する文学作品の装画・装幀を手がけてきた画家であり川端康成文学賞、毎日芸術賞を受賞した作家である。本書は著者が、手がけた装幀にまつわる文学者との交流を…

あるがまま

詩人であったリルケは、こう言っています。 結局のところ、あるがままに生きなさい。 分からないことがあっても、今はまだ、そのままで。 きっといつかそのうち、自分でも気づかない内に、その答えが見つかるのだから。 The point is, to live everything. L…

読書感想文とブログのコメント

夏休みに入って、生徒諸君が頭を抱えるのは読書感想文。 拙ブログの書評にアクセスが多くなるのもこの時期だ。 本を読むのは楽しいけれど、読書感想文を書くのが死ぬほど嫌いだった私も経験がある。 ではどうするかというと、後書きの丸写しか、あらすじ書い…

岬作者:中上 健次文藝春秋Amazon芥川賞受賞作品である。 1976年出版初版本。装幀は司修。黒いシルクスクリーン版画の装幀である。 表紙の装幀がこの本を暗示するかのように暗い血の匂いがする作品だ。 「黄金比の朝」「火宅」「浄徳寺ツアー」「岬」が収めれ…

暑気払いは熱めのお煎茶で

暑い時期は冷たいものを頂くよりも、熱めにいれたお煎茶とか、お抹茶を点てて和菓子などをいただくのもなかなかよい。蒸し 暑い家の中を拭き清めて、手持ちの籠などに庭の花を一輪いけるとすずやかな風が吹き抜ける。

一番ハンサムな季節は?

立秋をすぎて、なお酷暑。季節についてのこんな詩を読みました。愛さないの、愛せないの (ハルキ文庫)作者: 寺山修司出版社/メーカー: 角川春樹事務所発売日: 2000/04メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見る だれか 季節を見た人が…