飛翔

日々の随想です

2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

深いミゼールとは?

未曾有を「みぞゆう」と読み、「怪我」を「かいが」と読んだり「踏襲」を「ふしゅう」と読むことが頻繁(ひんぱん)(決してはんざつとはよまない)な、味噌と醤油をまぜたような人をトップに掲げるわが国はいつまでも決断できない政局となったが、やっと解…

空蝉(うつせみ)

空蝉(うつせみ) 蝉頃の暑き夜更けに 訪ねびと そは空蝉なりや 蝉なりや 夢まぼろしなりや うつつなる まなこに映る姿なし声なき声で鳴きいたる 過ぎこし方を眺むるに 土の思い出語りたる 暗き洞(ほら)なる彼方をば 声なき声で語りたる天なる空は限りなく…

古本屋の店主

どんなに遠距離でも行きたいコンサートや催し物と云うものがある。6月の終わりごろある催し物があったそうだ。 それは今から書く書評の話の中心人物の朗読会があったそうだ。バーボン・ストリート (新潮文庫)作者: 沢木耕太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日…

神田神保町古書店めぐり案内

自遊人 2006年 03月号カラットAmazon 英国の田舎町ヘイ・オン・ワイは世界初の「古書の町」としてつとに有名である。 わが国にも「神田神保町」という「古書の町」があるのを忘れてはいけない。 何百軒と軒をつらね、裏通りにいたる横道にも小さな店がある。…

青柳瑞穂の生涯

青柳瑞穂の生涯―真贋のあわいに作者:青柳 いづみこ新潮社Amazon阿佐ヶ谷の青柳瑞穂邸の引き戸をひくと鶏をぶらさげた太宰治が立っていて、 井伏鱒二、堀口大學、亀井勝一郎、外村繁、火野葦平、木山捷平、小田嶽夫らが顔をそろえている。 戦前この阿佐ヶ谷界…

涼風

寝室の東側の植え込みには銀もくせいが植わっている。銀木犀は金モクセイよりも香りがおだやかでつつましい。 慎ましいものは地味で控えめであるけれど、奥ゆかしい美がかくれているものだ。 母はそんな慎ましい人だった。 いつも大島紬の着物を着ていた。地…

『火の魚』室生犀星(中央公論社)

今日は嬉しい古本の釣果がありました。 それはこれ↓ お宝本。 それはこれ↓ 室生犀星の絶版本。函つき。美本。函から出すとこれまたすごい!何と装丁は室生犀星自身!! 装画は山口蓬春 しかも中身。内容の小説がすごい! 栃折久美子(とちおり・くみこ) さ…

木山捷平と井伏鱒二

書庫に、もう本が入りきれなくなってきた。なんとかせねばならない。 もう買わなければよいのだけれど、そうはいかない。本はよみたし、金欠病。 本はよみたし、時はなし。 本はよみたし、置き場なし。開高健が谷沢氏の書庫にある本を読みたくて風呂敷を持っ…

古本

去年の今頃、古書店で超レアものの本を手に入れた。 『支那童話集』 佐藤春夫著 日本児童文庫装丁・恩地孝四郎 口絵挿絵・島田訥朗 ※「賜天覧、台覧」と最初の頁に印刷されていて、天皇陛下や皇后陛下にご覧頂きましたという事で非売品と奥付けにはありまし…

古本と喜多六平太と6ペンス

古書店でみつけた名人能役者喜多六平太の『六平太芸談』を読みふけっている。六平太芸談 (1965年)Amazonこの本は初版は昭和十七年に刊行され、その後、二十七年に改版刊行されたけれど、今は絶版になっている。 このたび手に入れたものは喜多六平太師が満九…

『増訂 長安の春』

長安の春 (東洋文庫 (91))作者: 石田幹之助出版社/メーカー: 平凡社発売日: 1967/05/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見る*1248336415 北京オリンピック前後してチベット自治区の暴動と弾圧、ミサイルを装備してのオリンピッ…

井伏鱒二/弥次郎兵衛/ななかまど

井伏鱒二・弥次郎兵衛・ななかまど (講談社文芸文庫)作者: 木山捷平,岩阪恵子出版社/メーカー: 講談社発売日: 1995/08/04メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (6件) を見る中央線沿線の文士が、戦前・戦後を通じて、将棋と酒を友として集った…