飛翔

日々の随想です

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

資質

短編の名手永井龍男の作品「青梅雨」の出だしの描写にこんなのがある: 運転手と車掌が乗り込むと、ヘッドライトが点き、電車の廻りのぬか雨がにわかに宙に照らし出された 読んで情景がくっきりと浮かぶ。無駄な文はどこにもない。 俳句のように、そいで、そ…

「りんごのキャラメリゼ」

「りんごのキャラメリゼ」を作ってみました。

自らの力を鍛えよう

苦しんで苦しんで悩んで悩んで、考えられるだけ考えて、沈むだけ沈むことも、時には必要。 その時は苦しくてもがくけれど、苦しみの中から自力で見つけ出す答えがあるものだ。 世の中、安易に「癒し」を求めるけれど、簡単に癒されたり、癒したりできるもの…

恋歌

いつもは芥川賞も直木賞もエログロが多く読まないことにしているけれど、、今回の直木賞はオール読物でさわりだけを読んでみた。 これがとってもすばらしく最後まで読みたくなってとうとう単行本を買ってしまった。 二作品が受賞作だけれど、朝井まかて著『…

目には見えないものでも、それはある

「以心伝心」という言葉がある。 特定の人のことを考えていると、その人から電話がひょっこり来たり、道でばったりあったりなど。 先日から心配事で胸を痛めていたら、高校時代からの親友から「どうしてる?」とメールがきた。 その同じ日に、カウンセラー仲…

「もの言えば、唇寒し」になるのか日本?

このブログをはじめとして、SNS,HP,Facebookなど素人が自由に書くことが流行りだした。 超売れっ子と称される人が、ひとたび記事を載せるとたちまち3桁の「いいね」がつく。 そしてその信奉者が、「素敵ですね」「さすがです」などのコメントを寄せる。 私の…

蛍雪(けいせつ)の功

日本列島、雪、雪、雪。温暖な知多半島も雪で覆い尽くされた。 夕暮れどき、灯りをつけようと立ち上がり、ふとカーテンを開けると、部屋に一条の光が差し込んできた。 それは庭に積もった雪あかりだった。 窓から差し込む雪あかりで本を読もうとして、懐かし…

節分草

美術館で「和漢朗詠集」の本物を見たことがある。 冷泉家の当主の水茎も鮮やかな文字は一幅の絵のような美しさだった。 そこにはこうあった: 池のこおりの東風(とんとう)は風渡って解く窓の梅の北面は 雪封(ほう)じて寒し ( 藤原 篤茂 ) (立春の日)…

断捨離

今日はダンボール8箱分の本を「陸前高田図書館ゆめプロジェクト」に協力して出した。 http://books-rikuzen.jp/ 我が家の本が陸前高田の図書館に役立つことができるのなら嬉しい。 まだ書庫には山のように本がある。徐々に整理したいと思っている。そしてま…

傘の雪

・ やるせなき待つ身に重し傘の雪 (百合子)

音のない音

読書と思索の時間が静かにすぎていきます。 内なる自分と向き合う静けさは、音のない音に耳澄ますようなひと時です。

雪晒し

明日は全国的に雪の予想。 寒いのは苦手だけれど、冬の寒い時期になると自らの「雪晒(さら)し」の旅にでたくなる。 「雪晒し」とは雪国で麻布などを雪に晒して白くすることをさす。 己の「精神の布」を寒風と雪に晒(さら)して白くしたい。 座禅で心が乱…

本は友、本の友

「自分が自分が」と自己主張と自己顕示の人たちの言動に辟易してきた。 ビジネスとしている限り、商品や自分を売り込むのは必定だけれど、少々うんざりとしてきた。 ちょっと距離を置きたい。 やはり居心地が良いのは本の世界。 本のお仲間とのやりとりは楽…

立春大吉

今日は立春。 各地に雪のニュースが入ってきて、春はまだかと思われる。 「立春」は光の春ともいわれている。明るい陽射しは、まさしく春が近いことを教えてくれえるが寒い。 この何とも曖昧な月に真っ赤なイチゴが出回ってその愛らしい姿にめまいすらする。…

自分の内なる力を信じよう

なにかにすがりたい、頼りたいと思うことはある。困り果てたときや、心が弱りきっていたときがそれだ。 そんなとき、大いなるものの存在が自分を守ってくれると思うと力が湧いてくるものだ。 それは自分の内なる神のようなものでもあり、他力本願のような存…

猫も杓子も恵方巻きとヴァレンタインのチョコ

ヴァレンタインのチョコレートも恵方巻きも、日本人は皆商業路線に流されて、猫も杓子も、草木がなびくように同じ方向になだれ込む。この調子で日本人は「戦争」の方向に一斉になびかなければいいのにとふと思った。

言葉と年輪

春のような陽気にびっくり。 庭の侘助椿にメジロのつがいが飛んできて蜜をすっていく。 夫が、 「あれはどうした?」 といきなり尋ねた。 「あれはそこよ」 「これかぁ」 「そう。それ」 「これって、なかなかいいものだねえ」 「うん、そうねえ・・・」 長…