飛翔

日々の随想です

節分草


美術館で「和漢朗詠集」の本物を見たことがある。
冷泉家の当主の水茎も鮮やかな文字は一幅の絵のような美しさだった。
そこにはこうあった:

池のこおりの東風(とんとう)は風渡って解く窓の梅の北面は 雪封(ほう)じて寒し
( 藤原 篤茂 )

(立春の日)東風が吹き渡って、池の氷も東の岸から解けはじめる。だが、まだ冬の景色は残っていて、窓の外の梅は北側の枝など、雪がかたく封じこめてなお寒い。

 立春を過ぎても、先日の大雪で日本列島まだまだ寒い。
 昨日のニュースでは節分草が咲いたという。季節は確かに廻ってきているようだ。
 冷たい大地から顔を出した節分草には春の訪れが聞こえるのであろうか。