飛翔

日々の随想です

古本

稀覯(きこう)本『西域画聚成』

世の中には、めったにお目にかかれない貴重な書籍がある。 それを稀覯(きこう)本という。 私はそんな 稀覯(きこう)本のコレクターでもなんでもないが、一冊だけ見てみたいものがある。 それは昭和三十五年に三百部だけ刷られた稀覯(きこう)本『西域画聚成』…

『能楽全書』

私のお宝本である『能楽全書』全七巻(東京創元社) 装丁がものすごく凝っている。表紙は能装束からとったもの。 観世宗家に蔵してある長絹文様で、紺地がかった萌黄色(もえぎいろ)。 『能楽全書』の題字は支那の古文から選定されたという懲りよう。 箱は撫…

藤澤清造の戯曲発見!

芥川賞を受賞した西村賢太が藤澤清造に心酔していることは昨今有名になった。 心酔のあまり、清造の墓の隣に自分の生前墓を作ったことも知られている。 藤澤清造の全集を西村が芥川賞受賞賞金をすべてつぎ込んで出版するという。 さて、その藤澤清造とはどん…

本の装丁

私のお宝本である『能楽全書』全七巻(東京創元社) 装丁がものすごく凝っている。表紙は能装束からとったもの。 観世宗家に蔵してある長絹文様で、紺地がかった萌黄色(もえぎいろ)。 『能楽全書』の題字は支那の古文から選定されたという懲りよう。 箱は撫…

お宝古本『火の魚』

二年前古本屋で見つけたお宝本。 それはこれ↓ 室生犀星の絶版本。函つき。美本。函から出すとこれまたすごい! 何と装丁は室生犀星自身!! 装画は山口蓬春 しかも中身。内容の小説がすごい! 栃折久美子(とちおり・くみこ) さんをモデルにした本の題名に…

『タゴール著作集』と『支那童話集』

古書店での釣果。 『支那童話集』 佐藤春夫著 日本児童文庫 装丁・恩地孝四郎 口絵挿絵・島田訥朗 ※「賜天覧、台覧」と最初の頁に印刷されていて、天皇陛下や皇后陛下にご覧頂きましたという事で非売品と奥付けにはありました。 本書は中国の昔の本『東周列…

古本きんどう市

七月最後の土曜日は朝6時に大阪を目指して出かけることにした。このブログのブックマークにリンクして頂いている「このはな文庫」さんの大阪船場店が開店一周年を記念して一箱古本市を開催しているからだ。一箱古本市はそれぞれが一箱分の古本を持ち寄って売…

稀覯(きこう)本『西域画聚成』

昭和三十五年に三百部だけ刷られた稀覯(きこう)本『西域画聚成』。発刊は審美書院。雑誌に掲載されていたその美しさに魅せられた。 これは敦煌を中心とするトルファンの古代都市跡で発見された発掘画が六十図おさめられているものである。ロコタイプとよばれ…

桜の時期にぴったりの古本のレア本

桜の時期にぴったりの本を紹介しましょう。 『支那童話集』佐藤春夫著 日本児童文庫.(アルス)。 古本のレア本です。 装丁・恩地孝四郎 口絵挿絵・島田訥朗 ※「賜天覧、台覧」と最初の頁に印刷されていて、天皇陛下や皇后陛下にご覧頂きましたという事で非…

一箱古本市

今日は上着を脱ぎたくなるほどあたたかな陽気の土曜日だった。 今日は名古屋市内の四十九書店などが参加する「ブックマークナゴヤ2010」が開幕する日。本にまつわる五十を越える行事が四月十八日まで各所で繰り広げられる。その一つの「一箱古本市」が名古屋…

野呂邦暢の初のエッセイ

王国そして地図 (1977年)作者:野呂 邦暢集英社Amazon かつての古本の釣果は『王国そして地図』野呂邦暢(集英社)。 美本、帯付きである。 野呂の初めてのエッセイ集である。 野呂のペンネームが梅崎春生の小説からとったものだと明かす。 『諫早菖蒲日記』…

読書人の園遊

今日の古本の釣果は二冊。『読書人の園遊』谷沢永一著(桜楓社)と『遊び時間』丸谷才一著(中公文庫)だ。読書人の園遊 (1978年)Amazon遊び時間 (中公文庫 A 103-3)作者:丸谷 才一中央公論新社Amazon稀代の書物狂であり、読書人である両者。書物への愉悦に…

野呂邦暢著『古い革張椅子』から

古い革張椅子 (1979年)作者:野呂 邦暢集英社Amazon そして野呂邦暢の随筆『古い革張椅子』(集英社)。 野呂邦暢のエッセイは淡々と無駄のない言葉が紡がれていて水彩画のような趣がある。飄々とした書き味はモノクロームな映像を見るようだ。 「書出し」と…

古本あれこれ 

運動不足解消と楽しみとをかねてちょっと遠くの本屋まで歩いていくことにした。行きは下り坂なので30分で目的地に到着。しかし30分も歩くと汗がでてくる。 4700歩ほど歩いた。大型書店では最近古本の買い付けと販売もはじめたので、様子をみる目的もあった。…

古本の釣果

曇り空の土曜日。 古本屋へ立ち寄る。 絶版本『セヴィニェ夫人手紙抄』(岩波文庫、昭和十八年初版刊行。井上究一郎訳)、『旧聞 日本橋』長谷川時雨著(岩波文庫)、『私の食物誌』吉田健一著(中公文庫)『ウェークフィールドの牧師』ゴールドスミス著(岩…

『「奥の細道」の顛末』

「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也」で始まる『奥の細道』は、人生すなわち旅とした”旅の詩人”芭蕉が到達した生涯の代表作といえる。この芭蕉の研究家であり、近世文学、特に俳諧史を専門とする櫻井武次郎さんが惜しくもちょうど二年前にお亡く…

『支那童話集』佐藤春夫著 日本児童文庫

古本のレア本です。 本書は中国の昔の本『東周列国志』『聊斎志異』『今古奇観』『太平廣記』から材料をとったもので、 著者である佐藤春夫の「はしがき」によれば、 「別に童話といふのではありませんが、少年少女たちが読んでよかろうと思ふものを集めてみ…

『草のつるぎ』と『一滴の夏』

先月外耳炎になって市民病院へ行った。 予約先行なので突然行っても待たされる。待たされること、何と三時間!!!草のつるぎ・一滴の夏―野呂邦暢作品集 (講談社文芸文庫)作者: 野呂邦暢出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/07メディア: 文庫 クリック: 37…

『火の魚』室生犀星(中央公論社)

今日は嬉しい古本の釣果がありました。 それはこれ↓ お宝本。 それはこれ↓ 室生犀星の絶版本。函つき。美本。函から出すとこれまたすごい!何と装丁は室生犀星自身!! 装画は山口蓬春 しかも中身。内容の小説がすごい! 栃折久美子(とちおり・くみこ) さ…

古本

去年の今頃、古書店で超レアものの本を手に入れた。 『支那童話集』 佐藤春夫著 日本児童文庫装丁・恩地孝四郎 口絵挿絵・島田訥朗 ※「賜天覧、台覧」と最初の頁に印刷されていて、天皇陛下や皇后陛下にご覧頂きましたという事で非売品と奥付けにはありまし…

古本と喜多六平太と6ペンス

古書店でみつけた名人能役者喜多六平太の『六平太芸談』を読みふけっている。六平太芸談 (1965年)Amazonこの本は初版は昭和十七年に刊行され、その後、二十七年に改版刊行されたけれど、今は絶版になっている。 このたび手に入れたものは喜多六平太師が満九…