飛翔

日々の随想です

2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

懐石料理教室顛末記

お茶の稽古の中でもお正月の初釜は特別である。若いお弟子さんもベテランも晴れ着を着て初釜のお茶事を楽しむ。 しかし、裏方にまわる弟子たちは前日より先生のお宅に泊まり込みで懐石料理の下ごしらえ、準備に追われる。 先生はとっておきの楽茶碗をだし、…

女が怒ると怖いんだぞ!

今日は私の愚痴っぽいブログを読んだお友達が心配してくださって、昼食と買い物のお誘いをしてくださった。ホテルでおいしい中華に舌つづみを打って、いざ出陣。 ホテル内の高級ブティックや、有名デパートの品物のバーゲンセールで、買いに買いまくった。わ…

秋が来て飽きが来た

あ〜〜ぁ。出るのはため息ばかりなり。秋が来たわね。 私も人の子。本ばかり読んでいることもなく、お菓子作りを喜んでいる日ばかりでもなく、小難しい文をひねくりだしているのは、もう秋が来た。 なんだかわけのわからない込み入った文ばかりを並べている…

教科書を広げると

天高く馬肥ゆる秋となった。 読書の秋でもある。家じゅう本だらけとなり、もうこれ以上本を買わないようにしないといけない。 図書館で本を借りてくることも多いけれど、蔵書として持っていたいのである。 私の本はかわいそうなぐらいアンダーラインや書き込…

稀覯(きこう)本『西域画聚成』

世の中には、めったにお目にかかれない貴重な書籍がある。 それを稀覯(きこう)本という。 私はそんな 稀覯(きこう)本のコレクターでもなんでもないが、一冊だけ見てみたいものがある。 それは昭和三十五年に三百部だけ刷られた稀覯(きこう)本『西域画聚成』…

テンペスト

こんな荒れ狂った日は、ベートーベンのピアノ・ソナタ第17番ニ短調作品31-2を弾くとしっくりするのだろうか? 外は雨も風も強くない。 虫の声すらする。嵐の前の静けさか。 家の中は物音一つしない静寂がある。 一番怖い音。それは、音の世界を知っている者…

自然災害と原発

朝から、外は真っ暗。ものすごい雨で、庭の排水溝が間に合わないほどとなり、庭一面水浸し。台風が接近し、各地で豪雨が心配されている。 紀伊半島の土砂ダム決壊が案じられる。皆様の地域はいかがでしょうか?被害が出ないことを願います。 日本列島、今年…

良夜

朝晩めっきり涼しくなった。 秋は夕暮れ。夕日はなやかにさして山ぎはいと近くなりたるに、烏のねどころへ行くとて、三つ四つ二つなど、飛びゆくさへあはれなり。まして雁などのつらねたるが、いと小さくみゆる、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音な…

日曜日のたわごと

日々「読書し、ブログを書く」生活をブログに綴っていると、まるでお気楽な生活をしている人だと思われるだろう。実際、そう山あり谷ありのことはない。しかし、そんな平凡そうに見える生活にも、時には影を差す。しかし、その影をブログに書くようなことは…

何センチ?

秋は人をおセンチにする。では、何センチ?な〜んて言っても誰も笑わないわね。 だってセンチメンタルのことだから。こんなおバカなことを言っても、私はめげてる。 とってもめげてる。夕食後、夕やみ迫る中、散歩した。いつも待っていてくれる「ポチ」がい…

旅の衣は鈴懸の

旅というと有名な謡 ♪「旅の衣はすずかけの、露けき袖やしほるらん・・」が頭に浮かぶ。 能「安宅(あたか)」のなかの謡である。歌舞伎十八番のひとつ「勧進帳」は、この能「安宅」を元にしてつくられたもの。 「長唄」 旅の衣はすずかけの、露けき袖やしほ…

秋は夕暮れ

秋は夕暮れ。夕日はなやかにさして山ぎはいと近くなりたるに、烏のねどころへ行くとて、三つ四つ二つなど、飛びゆくさへあはれなり。まして雁などのつらねたるが、いと小さくみゆる、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など。 とあるのは『枕草子』第…

人間っていいなぁ

今年の三月。ちょうど東北地方大震災が起きた二日後に私と夫はイタリア旅行から戻ってきた。 イタリア、サッカーの名門のTシャツを目の前にして 「わ〜、どうしよう!」と感激して泣きそうになるぐらい喜んだのはブラジル人少年ラファエロである。四月には…

心の豊穣

昨日は焦りに焦った。 今日原稿締切だった。原稿の原案だけはできていて、あとは原稿用紙に打ち込むだけとのんびりかまえていたのがいけなかった。 キーボードが故障してうんともすんとも動かない。夫のパソコンから何とか原稿をしあげたのは明け方近くなっ…

白露

めっきり涼しくなったと喜んでいたら、今日は夏に逆戻り。 昨日は中秋の名月。白露というのがある。白露とは 白露とは二十四節気の1つ。 秋の気配が濃くなり野草に白露が宿る頃。 (今年は9月8日から秋分の頃まで) つまりちょうど今頃の時期。 このわびし…

中秋の名月

今日は「中秋の名月」。 外へ出てお月見してみましょう。 中秋とは旧暦の秋(7月、8月、9月)の真ん中の"日"を指す言葉で旧暦8月15日のことです。 中秋の名月にはお月見だんごをこしらえる。 花よりだんごではなく、おだんごをお月様にお供えして名月を愛で…

歌行燈

歌行燈・高野聖 (新潮文庫)作者:鏡花, 泉新潮社Amazon 桑名の旅籠(はたご)屋「湊屋」へ弥次郎兵衛、捻平(ねじへい)などと、東海道中「膝栗毛」をしゃれ込んだ老人二人が人力車でやってくる。 何とも滑稽味を帯びた会話が繰り広げられるうち、うどんやの…

ありがとう

「ありがとう」の心は美しく、なによりも報われる言葉だ。 母は家事を決して手を抜くことはなかった。特に食事は手間隙かけていた。叔父が訪ねてくるときは、二三日前から叔父の好きな「身欠きにしんの甘露煮」を作るために準備していた。三日前にすることは…

さんまの歌

「はい!焼けたわよ!」 秋の夕暮れ。おいしい匂いとけむりの中、母が七輪から皿に移したのは「さんま」。 皿の上では、さんまがジュージュー音を立てている。 焼けた順に食べるのが、我が家のさんまを食べるルールだった。家族の顔ぶれが揃うまで、じっとテ…

たのしみは妻子(めこ)むつまじくうちつどい頭(かしら)ならべて物をくふ時

9,11.3,11とテロと災害が起き、今また台風豪雨による土砂災害が起きた。 朝、一緒にご飯を食べ「行ってまいります」といった家族がもう夜には帰らぬ人になってしまう。そんな悲しいことが悪夢でなく、実際に起きていると、今をいかに大切に生きるかを問われ…

花に心を寄せて

九月九日は重陽(ちょうよう)の節句。 陽 つまり、奇数が重なる日である。そして、奇数の中でも一番大きな数字9が重なることから「重陽」といわれ、菊の花が咲く季節なので、「菊の節句」とも呼ばれる。 さて、この重陽の節句には平安時代から宮中に伝わる…

灯(ともしび)

涼しくなって寝苦しい夜がなくなった。 虫の音とともに休むことができる夜ほど秋を感じることはない。と言っても、朝になるとまだつくつく法師が鳴いているのだから、秋のとば口は面白い。 涼しくなったので、朝晩、散歩をするのが日課になった。40分ほど…

蕎麦とブラックスワンと

酷暑が嘘だったかのように、寒い朝となった。夏蒲団から冬の毛布にかえなければならないほど寒い。布団を無意識に、はいで寝ていたのに、今朝は毛布を無意識に手で、足で、探している。 季節は突然人間に移ろいを感じさせる。 昨日は台風一過、久しぶりの晴…

台風被害に思うこと

台風一過、天気晴朗なれど、風強し。 大変な豪雨とともに日本列島を荒らしまわった台風が去った。紀伊半島は特に大変な災害を受けその爪痕は悲惨で言葉を失う。 皆様の地域はいかがだったでしょうか?被害がないことを願います。 今年は天変地異が多い年とな…

夫(妻)その人を読みたい

夫婦という最も身近な他人と生活するということは考えてみれば冒険だ。 環境も育ちも違う赤の他人が恋をして結ばれる。相手を良く知るにはとてつもない時間がかかるものだ。それなのに赤い糸伝説の元、他人同士が日々生活するのであるから、面白いといえばこ…

17歳と18歳のショパンコンクール

辻井伸行さん、二十歳が2009年17日間にもわたって競うヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで第一位の金メダルを受賞した。輝かしいばかりの栄冠である。 さかのぼること2005年の秋に行われたショパンコンクールではこのコンクールで最年少の17歳…

夕方の台所

夕方の台所 味噌汁の匂い 菜っ葉を刻む音 皿のざわめき ジュージューさんま 「ご飯できたわよ〜」 台所の上には星がまたたきはじめた あれは母さんだ 誰か、星にかけるはしごをかして(by ろこ)

東京JAZZ 2011

ステイト・オブ・マインド(期間限定)ジェイソン・ムラーズ,スティーヴィー・ワンダーEMIミュージック・ジャパン 東京国際フォーラム・ホールAで開催されるジャズ・フェスティバル、東京JAZZ 2011の最終ラインナップが確定。圧巻のステージ・パフォーマンスで…

女の戦いは怖い

九月九日は重陽(ちょうよう)の節句。 陽(奇数)が重なる日そして、奇数の中でも一番大きな数字9が重なることから「重陽」といわれ、別名「重九(ちょうきゅう)」ともいわれ菊の花が咲く季節なので、「菊の節句」とも呼ばれる。 さて、この重陽の節句には…

どんな恋愛詩よりも美しい愛の詩

黒田三郎詩集 (現代詩文庫 第 1期6)作者:黒田 三郎思潮社Amazon今日は詩人 黒田三郎の「小さなユリ」を紹介しよう。 敗戦後の荒んだ時代、『ひとりの女に』という恋愛詩集をだし、現代詩人会第五回H氏賞を得た黒田三郎。 その恋愛詩から十年後に『小さなユ…