飛翔

日々の随想です

何センチ?

秋は人をおセンチにする。では、何センチ?な〜んて言っても誰も笑わないわね。
 だってセンチメンタルのことだから。こんなおバカなことを言っても、私はめげてる。
 とってもめげてる。夕食後、夕やみ迫る中、散歩した。いつも待っていてくれる「ポチ」がいつものように狂わんばかりに私に飛びついてきた。愛らしい奴め。動物は嘘をつかない。気も狂わんばかりに飛びついてきた「ポチ」を私もめちゃめちゃになでてやった。
目を細くして、耳をそらして精一杯答えてくれた。よその家の犬だけれど、可愛い。
 私のさびしさをふき取るようになめてくれた。ありがとう、ポチよ。

 私の大好きな詩人、まど・みちお さんの詩を載せよう。
何回読んでも感動する。何回読んでも「クロとぼく」の気持ちが私のと重なる。

紹介しよう。

クロとぼく

学校から帰ってきた ぼくの
足音めがけて
クロが とっしんしてくる


めちゃなきの
めちゃかみの
めちゃめちゃなめだ

ぼくを待ちくたびれながら
そこらに書きちらしたらしい
でたらめの「すき」という字を
なん百 なん千
はねちらかし けちらかし


ぼくはクロをだいて
山のように どっかと座って
世界中を にらみまわしてやる
もしも ライオンとトラとヒョウと
オオカミとワニが
一どに
クロにとびかかってきたいのなら
いつでもこい! というように


          
( 『くまさん』 まど・みちお/童話屋 より)