飛翔

日々の随想です

2008-01-01から1年間の記事一覧

散歩と路地裏

散歩の魅力は何だろうか?それは車に乗っていては見えないもの、味わえないもの、感じられないものを味わえることだろう。自分の歩幅で自由気ままに歩けることはなんともいえない爽快感がある。車にのっていて見過ごしてしまうもの。それは道端に咲いている…

与謝野晶子 (夜明けの色の茜染め)

歌人与謝野晶子は夫与謝野鉄幹がパリに渡航して独り寝のさみしさを歌った歌がある。 ひとり寝良人の留守の一人寝に わたしは何を着て寝よう 日本の女のすべて着る じみな寝間着はみすぼらし (省略)わたしはやはりちりめんの 夜明けの色の茜染め、 長襦袢を…

朔太郎とおだまきの花

萩原朔太郎の第一詩集「月に吼える」が出版されたとき、今までの七五調の詩の殻を破った自由口語詩として日本の詩壇を大いに揺るがした。 また「異常な感覚、病的な神経」を取り上げ、「地面の底に顔があらわれ、さみしい病人の顔があらわれ。」と連用形で重…

文豪とお能

作家や文学者の中には能楽をたしなんだり、能面を集めたり、あるいは能役者だったりするひとが多い。芥川龍之介は能面を集めて悦にいっていたという。 谷崎潤一郎の娘婿は観世流の家元の次男観世栄夫。 あの夢野久作にいたっては正真正銘「喜多流能楽師」で…

はじめに言葉ありき

「はじめに言葉ありき」は聖書からの言葉だったろうか。真っ白のページに言葉を綴っていくうちにいつしか言葉の綴れ織りが、錦の帯となる日を待つとしよう。 白妙の衣に映すわが想い錦となりて華やぎゆかん 貫之も腰を抜かして驚くは男女もすなるブログなる…