飛翔

日々の随想です

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

にんじんパン

ホームベーカリーでニンジンパンを焼いて見ました。 綺麗な色でふんわりしたパンのできあがり。 にんじんジュースを入れただけ(180cc)の簡単なパンですがふわふわでほんのり甘みがあって美味しくできました。 「ミックスレーズン」を入れてみました。

『能楽全書』

私のお宝本である『能楽全書』全七巻(東京創元社) 装丁がものすごく凝っている。表紙は能装束からとったもの。 観世宗家に蔵してある長絹文様で、紺地がかった萌黄色(もえぎいろ)。 『能楽全書』の題字は支那の古文から選定されたという懲りよう。 箱は撫…

無常迅速

朝から蝉しぐれでテレビの音が聞こえないほど。 連続ドラマ「おひさま」をみようとしても蝉の声がうるさくて聞こえない。窓を閉めたぐらいではまだだめで、とうとう雨戸をしめる。 庭の東の一角には我が家の父祖のように一本の欅の木がある。このけやきは一…

留萌本線終着駅

私の最初の旅は五歳の時だった。 大人用のサンダルをつっかけて、母の買い物袋をさげて父を迎えに駅まで一人旅。 誰にも何も言わず一人で駅まで続く野道(埼玉県与野)を歩いて行った。 帰りが遅い父とはめった顔をあわすことがない。幼い私はなぜか急に父に…

友を選ばば書を読みて

友達と云うのは本当にいいものだ。 不実で有言不実行の人もいるなか、ここぞというとき、すっくと立ち上がり、援護射撃してくれる強い味方。それこそが友だちである。ベクトルが同じ仲間は楽しい。愉快である。 憂き世のしがらみなんぞにしばられず、誠の言…

夕すゞみ星の名をとふ童(わらわ)かな

今夜は打ち上げ花火大会があるそうだ。 「あァ、夏だなぁ」。 浴衣を着て夕涼みがてらそぞろ歩きなどしてみたい。 星を眺めるときがあっただろうか? 節電が叫ばれているが、不夜城のように夜でも煌々(こうこう)と明かりがともる昨今は、闇夜というものが…

涼しさや袂(たもと)にあまる貝のから

着物を着る機会は少ないが、浴衣なら気軽に着れる。 若い女性も、もとお嬢様も、髪をきりりとまとめて、浴衣なんぞを着るとハッとするほど見違える。 男性も浴衣姿に角帯を絞めるといなせないい男に見えるから不思議だ。 江戸時代の古句にこんなのがある。涼…

蝉の詩

蝉の羽化↓ 我が家の東の一角に一本で森を作っているケヤキがある。そのケヤキの土中で何十年と云う眠りから覚めようとしている者たちがいる。それは蝉。 今日はそんな蝉の声を紹介しよう。 大好きな木山捷平の詩である。 蝉の詩おれはもう十三年地べたの中で…

小悪魔

理屈や理性などでなく、凶暴な本能のままに流されてみたいなどと思うときがある。 それは狂気にも似ている。 過ちというものを犯すのはそんなとき。 昼と夜の間のつかのまのとき。それは「逢う魔が時」(おうまがどき)とよばれるもの。 「新明解国語辞典」…

読書とぬか漬け

床から天井まである書庫の棚には、本がもう入りきれない。もう買わないと思っている端から買っているのだから始末に終えない。さらに古本屋を何軒もあさり買い求める。さらに手に入らない本はネットであさり買う。そして図書館で借りる。 一ヶ月前から読み続…

追悼 原田芳雄 と『火の魚』

長年、個性派俳優として活躍してきた原田芳雄さんが7月19日に上行結腸がんから併発する肺炎のために亡くなった。享年71歳。現在公開中の主演作『大鹿村騒動記』が遺作となった。 原田芳雄さんを偲んで追悼番組がNHK BSプレミアムで放送決定した。 「広…

魁皇引退

魁皇が本日を持って引退することになった。 1047勝という輝かしい成績を残してみごとに自分で幕をおろす決断をした。 管総理に聞かせてやりたいが、なでしこジャパンを招いて言った言葉は「自分もあきらめないでがんばりたい」とどこまでもねばる。 かたやな…

なでしこジャパン世界を制覇

なでしこジャパンがついに世界を制覇しました!おめでとう!! 日本の皆さん、ついに大和なでしこが世界を制覇しました。PK戦にまでもつれこみ、世界最強のアメリカを屈して勝ちました。未明の3時からテレビで観戦して応援した日本の皆さん、良かったです…

読書百遍

「読書(どくしょ)百遍(ひやつぺん)義(ぎ)自(おのずか)ら通ず」 ということわざがある。 (百遍も繰り返して書物を熟読すれば、よくわからなかった意味も自然にわかる)という意味だ。 ヘミングウェイの作品に『老人と海』がある。 第54回ヘミングウェイ・…

暴露の功罪

向田邦子の恋文 (新潮文庫)作者: 向田和子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/07/28メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 41回この商品を含むブログ (46件) を見る 航空機事故で急逝してしまった向田邦子さん。 この本は向田さんが亡くなって妹の和子さんが…

午睡(ごすい)の人

蝉の声がするようになり、暑さもひとしおになってきた。 暑い国の人は昼寝「シエスタ」をするというが、本当に暑くてだるい昼日中は、横になるとうっつらうっつらとなる。身をよこたえて体力の消耗を少なくしようと自然となる。決してだらけているわけではな…

舞台裏の神々

舞台裏の神々―指揮者と楽員の楽屋話作者:Rupert Sch¨ottle音楽之友社Amazon 暑い日は思いっきり笑って暑さを忘れるこんな面白い本を読んでみてはいかがだろうか。 表通りより、ひっそりした裏通りにおもわぬ情緒をみつけることがある。 裏の顔、裏話など、「…

星影のステラ

キリンの子供が聞きました。おかあさん なぜ首がながいの?それはね だれよりもはやく おほしさまをみつけるためよ※きりんの親子のように星のまたたく夜これを聴いてみて下さい。↓星影のステラキース・ジャレット・トリオユニバーサル ミュージック クラシッ…

空蝉

セミの声がきこえるようになってきた。いよいよ夏の盛り。 蝉の詩をかいてみた。 空蝉蝉頃の暑き夜更けに 訪ねびと そは空蝉なりや 蝉なりや 夢まぼろしなりや うつつなる まなこに映る姿なし声なき声で鳴きいたる 過ぎこし方を眺むるに 土の思い出語りたる …

狂おしいばかりの読書熱

この三週間の間、一人の作家の作品を読みに読んでいる。作品だけでなく、彼にまつわるエピソードや、追悼集などを次々と読んでいる。手元にない作品は図書館で借り、古書店をあさる。日々が一人の作家で埋め尽くされている。頭の中はその作家のことで一杯に…

漱石詩注

高校時代漢詩の名物教師がいた。 黒板に漢詩を書き連ね、生徒をみることもなく漢詩を朗詠し、解説する。 自分でも漢詩を作り、暑中見舞いを出すと必ず自分の漢詩を葉書一杯に書き連ねた返事がきたものだ。 あまりよい生徒でなかった私は授業中居眠りばかりし…

暑中お見舞い

佐藤春夫の天女

退屈読本 上 (冨山房百科文庫 18)作者: 佐藤春夫出版社/メーカー: 冨山房発売日: 1978/07メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (3件) を見る退屈読本 下作者: 佐藤春夫出版社/メーカー: 冨山房発売日: 1978/10/09メディア: 文庫 クリック: 2回…

魔性の女

今朝、朝刊を読んでいたら、視線をかんじたので、ふと、目をあげると家の者が私を見ていた。 「ん?何?」と聞くと, 「そうやって新聞を熱心に読んでいる姿はとっても知的にみえるね」とのたまった。 「ん?なにかい?んじゃあ、いつもの私は知的じゃないっ…

ラカンの精神分析

ラカンの精神分析 (講談社現代新書)作者: 新宮一成出版社/メーカー: 講談社発売日: 1995/11/16メディア: 新書購入: 8人 クリック: 52回この商品を含むブログ (94件) を見る 簡単に言えば、人間は自ら自分の存在を確定できないということ、必ず 他者を必要と…

名窓浄机の人

勉強するにせよ、仕事するにせよ、机の周りや部屋をきちんと整理整頓してからと云う人。その反対に机の上は本や書類の山、部屋は乱雑な中でないと落ち着かないというタイプがあるようだ。 私はどうも乱雑で大雑把(おおざっぱ)なほうである。書籍の山からお…

「捨てる」にみる言葉の陰影

子供の頃「はやし言葉」っていうものがありましたが、みなさんは知っていますか?あるいはどんな「はやし言葉」がありましたか? 私の子供の頃は「♪泣き虫毛虫はさんですてろ」というのがありました。 これは遊んでいて急に泣き出した子にまわりの子供たちが…

向田邦子の箸置き

高校・大学を通して同じ学び舎だったS子とはいまだにメールで切磋琢磨しあっている。一人でこつこつ勉強しているとくじけそうになるが、友もがんばっていると思うと励みになる。 作家の北壮夫と辻邦生とは親友関係である。高校からの書簡のやり取りが書籍に…

痩山(やせやま)にぱっと咲けりそばの花

江戸っ子の私は蕎麦が大好きだ。 どどいつにこんなのがある: ・信州信濃の新蕎麦よりもわたしゃあなたの傍がいい 江戸っ子の父は日曜日のお昼は必ず「蕎麦食おう!」と号令!落語家ではないが蕎麦をたれにつけるかつけないかわからないうちにつるつるとすす…

「狐の手袋」

昔、短波放送でVOA(ヴォイス オブ アメリカ)をよく聞いた。 なかでも特に楽しく聞いたのは科学トピックス。 ゴッホの絵に黄色が描かれていたのはジギタリスという心臓病の薬の副作用によるものではないかという内容の話が妙に印象に残った。 ゴッホの絵を…