飛翔

日々の随想です

中秋の名月

今日は「中秋の名月」。
 外へ出てお月見してみましょう。
 中秋とは旧暦の秋(7月、8月、9月)の真ん中の"日"を指す言葉で旧暦8月15日のことです。

 中秋の名月にはお月見だんごをこしらえる。
 花よりだんごではなく、おだんごをお月様にお供えして名月を愛でようという風流な風習である。

  をりとりてはらりとおもきすすきかな(飯田蛇笏)

 お月見におそなえしようと野にでてすすきを一本折ったのだろうか。
  「はらりとおもき」とは絶妙な表現ではないか。
「はらり」の言葉が生きている。
 すすきの穂を持つと「はらり」と穂がたわむ。そのたわむような重さは「はらり」という言葉がぴったりするような重さである。

 秋の野に群生して咲くすすきの穂が風になびいて銀色にかがやく様はわびしいまでに美しい。
 つるべ落としの秋の夕日が野のはてに落ちるとき、銀色にかがやくすすきの穂が風になびいて揺らぐ。
 中秋の名月をすすきをおそなえしてこの句と共に味わうこととしよう。