飛翔

日々の随想です

野呂邦暢の初のエッセイ

 

 かつての古本の釣果は『王国そして地図』野呂邦暢集英社)。
美本、帯付きである。
 野呂の初めてのエッセイ集である。
 野呂のペンネームが梅崎春生の小説からとったものだと明かす。
諫早菖蒲日記』『草のつるぎ』などの作品を書くまでに至った経緯や、少年時代の思い出などが伸びやかに語られていてすがすがしい。
小説を読む以上にエッセイを読むのが好きだったという野呂はこの初めてのエッセイを「ほとんど愉しみながら書いた」とある。


これでかなり野呂邦暢の作品が我が家の本棚に並ぶこととなった。
 『諫早菖蒲日記』『草のつるぎ』『一滴の夏』『愛についてのデッサン』『王国そして地図』『小さな町にて』