飛翔

日々の随想です

読書人の園遊

 今日の古本の釣果は二冊。『読書人の園遊』谷沢永一著(桜楓社)と『遊び時間』丸谷才一著(中公文庫)だ。

稀代の書物狂であり、読書人である両者。書物への愉悦に満ちたエッセイと示唆に富んだ両書は枕頭の書となった。
 谷沢永一著『読書人の園遊』から「精神のおしゃれ」を引いてみよう。

 読書生活の延命策に牽引力になってくれるもの、それは、年齢に応じたその時々に絶えず精神の心躍りを誘発するための、軽薄な好奇心の持続である。
古典、重厚、沈潜、瞑想、威儀、厳粛、荘重、質実、端厳、真摯、厳正、凛然、ひとつひとつの心意気は颯爽としていても、
それを貫くに知的好奇心の躍動を欠いては、一巻の終りとなるだろう。
精神のおしゃれを引き立たせる秘薬は、常にひとさじ多すぎる軽薄さであると私は信じる。