飛翔

日々の随想です

恋歌

 いつもは芥川賞直木賞もエログロが多く読まないことにしているけれど、、今回の直木賞はオール読物でさわりだけを読んでみた。
 これがとってもすばらしく最後まで読みたくなってとうとう単行本を買ってしまった。
 二作品が受賞作だけれど、朝井まかて著『恋歌』が抜群に面白く優れていると思った。
 三宅雪嶺夫人が語り手となって、歌塾「萩の舎」を主宰する樋口一葉の師匠 中島歌子の日記を読むという入れ子細工になっている。

恋歌

恋歌

 
 水戸藩の騒動と樋口一葉の歌の師匠の中島歌子を中心に描いたもので、まず良かったのは多くの人が書いている手垢のついた樋口一葉を主にしなかったこと。
 幕末の水戸藩についてはあまり歴史的に重要視されていなかったところを掘り下げ、女の側からみた内乱と胸の想いが素晴らしいタッチで書かれていて興味を惹かれた。
 今夜はこの『恋歌』読破をする予定。