飛翔

日々の随想です

真夏の夜の読書

 矢沢永一氏が言った「読書の鎖鎌」。一冊の本から次々とそれに関連する本、同じ作者の違う本、その本にまつわる評論などと、鎖鎌にかけられたように、次々と読書の間口が広がっていく。
 酷暑の夏とはいえ、寒い冬よりは私は好きな季節だ。絶好調の体調。
 読書熱も気温並みにあがってきた。『本の魔法』司修著」(白水社

本の魔法

本の魔法

をはじめとして、この本に収められた司修の装幀による初版本を集めだして、せっせと読んでいる。
 はじめは『岬』中上健二著(文藝春秋刊)、森敦著『月山』(河出書房新社)と読み進めている。
月山
森 敦
河出書房新社
なにせ初版本ゆえ、なかなか探せない。しかし、司修の装幀の本には作者との関わり、深読みして装幀した表紙は、初版本にしかない味わいが滲んでいて、思わずなでさすってから読んでしまう。読み終わってから再度『本の魔法』を読むと一冊の本が世に出るまでの作者の様子や装幀家との関わり、作品からは覗い知れない裏窓を覗いたようで、一粒で二度おいしい。
 一冊の本の装幀というものどれだけ本に味わいを持たせるか、目から入る印象が後々までその本に色を添えるかが理解できて、『本の魔法』を読めた幸せをしみじみと味わうのである。
 熱をおびたついでに、洋書も併読し始めている。目が疲れたら読む程度の屈伸運動の役割の洋書である。
 これまでたくさんの読書から得たものはおびただしい語彙である。漢字をしらなくても、古典を読みこなし、たくさんの本を読んできた。そこからは知らず知らずに得たものは語彙や語感である。
 国語の勉強などするより、たくさんの読書がどれだけ糧になるか自分自身が知っているので、英語でも同じだと私は思っている。
 たくさんの英書を読む。これが目下の目標でもある。
 今読んでいる洋書は簡単なベストセラー小説『HOLES』LOUIS SACHAR著(YEARLING NEWBERY)
Holes
リエーター情報なし
Yearling
 そしてこのブログの読書友達であるWさんの紹介の『竹山道雄と昭和の時代』平川祐弘著(藤原書店)。
竹山道雄と昭和の時代
平川祐弘
藤原書店
『京都の一級品』竹山道雄著(新潮社)

京都の一級品―東山遍歴 (1965年)
竹山 道雄
新潮社
 暑さもものともせず、これらの本に舌鼓を打つ楽しさは、同じ読書子ならわかっていただけるだろう。
 あ、そうそう。芥川賞受賞作品『爪と目』藤野可織著も読了した。
爪と目
藤野 可織
新潮社
 これらの書評は後日書くこととする。