飛翔

日々の随想です

「CATWINGS」「空飛び猫」

Catwings
リエーター情報なし
Scholastic Paperbacks

猫好きはもちろんのこと、そうでない人にも、子供にも、大人にも楽しめる絵本です。
 著者はSFファンタジー作家として知られているアーシュラ・K. ル・グウィンだと知ったのは読み終えてからです。
 びっくりしましたが、こんな愛すべき絵本を書いていたなんて、知りませんでした。
 子供向けにシンプルな言葉で書かれているので、英語の苦手な人でも、難なく読了できます。
 わからない単語が出てきても大丈夫。挿絵がものすごく素敵でこれに助けられながら読むことができます。

 お話は翼を持って生まれた四匹の子猫が巣立っていくまでのストーリーです。
 子供に読み聞かせてあげてほしい絵本です。読みながら、聞いている子供たちも
 想像の翼が生えてくるのを自覚するでしょう。

心を開くこと、信じることについて思いを馳せました。
 (ふと新美南吉の「手ぶくろを買いに」のお話が頭をよぎりました)

 そしてこの英語の絵本を日本語に訳した人がいます。
 それはあの村上春樹さんです。
 
 

空飛び猫
アーシュラ・K. ル・グウィン
講談社

 やさしい日本語で翻訳されていて、とっても心がなごみます。
 あとがきが素晴らしく、英語の本文についての注釈があるので、英語の本を読了してから読むと
 なるほどと納得できるでしょう。

 著者のル・グインさんが、絵本を書いていたことにも驚かされましたが、この素敵な絵本を
 村上春樹さんが翻訳していたことにも驚きました。

 村上春樹さんがこの絵本を好きになったのは表紙を見た瞬間だったとのこ。
 本当に、表紙絵といい、挿絵といい、心を一瞬にしてとらえてしまう魅力があります。

 先ずは洋書を読み、村上春樹さんの翻訳絵本を読む順番が個人的にはお勧めです。