飛翔

日々の随想です

連綿とつながる命

 
秒針がカチッと回ったとたん世の中が変わることはある。
 あのベルリンの壁がなくなったとき、人類史上初めての発見をしたとき、命の誕生の瞬間など。

 卵子精子が結びつき、着床したとき、「生命」が宿る。
 人間の場合、地球上の億単位の人間の中からたった一人の女とたった一人の男が選び選ばれ結びつき、やがて新たな生命を生み出すのだからすごいことだ。
 その命は連綿と人類の歴史をくぐり抜けてきたDNAを運んでくる。
 私という人間は私であって、長い人類が育んできたDNAを持つものである。
 そう思うと、自分の誕生は決して「私」だけのものでないような気がする。
  
 幸せを感じていながら、なぜか言葉にできないようなさびしさが心の奥にある。
 それは「私はどこから来てどこへ行こうとしているのか」という獏とした問いなのである。 遠く太古の誰かが呼んでいるような気がする。それは誰か?それは太古の「わたし」。つまり私を流れている数億万年前のDNAの声のように思える。

 前世とか過去世とか言われるけれど、そうしたものでない遠い遠いものなのだ。
だから、命は、その尽き果てるまで、全力で謳歌し、役に立てるよう使い切って生きて行きたい。
新たな日がまた明けようとしている。
 
今日お誕生日を迎える方、おめでとうございます。
 3月19日の誕生花:クチナシ
 花言葉:【私は幸せです】【洗練】【優雅】【喜びを運ぶ】【沈黙】