飛翔

日々の随想です


京都 法然院
夫が朝5時前から起きて庭の雑草と門の外の雑草をとりだした。
明日は雨か嵐か雪か?
綺麗になってすがすがしい佇まいになった。

いつも閉め切りになっている門を開け放っておいたら夫が「どうして門をあけておくの?」と聞いてきた。
「閉め切りにすると風の通り抜けが悪いのでたまには開け放たないとね。でも押し売りがくるから閉めておこうか?可憐で美しい奥さんを狙う悪い奴がいるからこわいもんね」と言うと
夫は「え?可憐で美しい人ってどこ?どこ?」とあたりを探す振り。
 門の外にいた夫を置いたまま門をおもいっきりしめてやった。

 午後から久しぶりに夏目漱石の「門」を読む。

 わが家の宗助はまだ「門」の外に。
 わが家の御米(およね)はひっくりかえって読書。
「安穏」という罪を背負った御米(およね)はトドとなり、宗助は友人の妻を奪うこともなく愚直なまでに仕事に埋没し、可憐だった女がいつのまにかトドとなったこの激変ぶりにただただ呆然と「門」にたちつくすのであった。