飛翔

日々の随想です

かんなづき【神無月、十月】


  今日は夫が休みがとれたので、午後から二人揃って老人施設を訪問した。
 いつも悲観的な思いにとらわれている人が夫の言葉に笑顔になって、お茶目なことを言って周りを笑わせて驚かされた。
 珍しい人の訪問はやはり施設に入っている人たちには刺激となって、心がわずかでもなごむようだ。
 赤の他人でも、優しい言葉がけや、笑顔、声の調子に心が安らぐのは嬉しい。諸事情でこうした施設に足繁く通えないご家族も多いことだろう。しかし、だれかの訪問を心待ちにしている様子をみると胸が痛む。
 施設で働く人たちの懸命な様子には心を動かされる。福祉に予算が多く回らない世の中であってはならない。
 復興が後回しになるようなことがあってはならない。私たちの声が届かない、消されるような社会であっては絶対にあってはならないとしみじみ思う10月初日(かんなづき【神無月、十月】)であった。