社会の第一線で活躍している夫をまぶしく感じることがある。
そしてふと寂しくなる瞬間がある。
いつも互角でいようなどと云うのではない。家庭にあって夫の支えであればよいではないかと云う考えもある。
実際はそのとおりであり、未熟ながらも支えているつもりではいる。
しかし、そういう問題ではないのである。大学時代の友であり恋人でもあり、同士でもあった夫。
永田紅さんの歌集を読んでいて次の歌に釘付けになった。
・忙しきほうが時間のあるほうをさびしくさせて葉を毟(むし)らしむ 永田紅
心の底に響くものがあってしばしこの一首に読み入ってしまった。
この歌にしみじみ共感した。
三十一文字という短詩形の中にこめられたものがどれだけ多くの人の胸を打つことかとおもう。
歌の中に自分と共振するものがあり、読んでいるうちにその想いが増幅し感動を呼ぶ。
今日はとびきり華やかな花を買おうと思った。