気候温暖な当地にも初雪が降った。
江戸時代の歌人・橘曙覧(たちばなのあけみ)は初雪をこんな風に詠っている。
初雪
うつくしく ふれる初雪 ことの葉の 跡つけつくる やすらはれけり
(『橘曙覧全歌集』 (岩波文庫)より)
初雪の美しさは何とたとえたらよいだろう。
まだ誰にも踏みしだられていない初雪。その初雪の美しさを言葉や歌で言い表すことさえためらわれる。
美しいといってしまうにはまだ足りない、足りないどころか言葉でけがしてはいけないほど美しいと思う歌人の繊細さがにじむ。