飛翔

日々の随想です

両羽の剣(もろばのつるぎ)

 今まで若者の傍若無人ぶりを嘆いてきたが、こんどの災害で高校生や中学生が進んでボランティア活動をしている姿に、感動し、日本の将来をこの若者たちが果敢に背負っていく様子が浮かんできた。地域では春祭りがはじまったが、その中で救援基金に小学生が千円札を入れているのが目に飛び込んできた。祭りのためにもらったお金だ。日本列島、大変な困難の真っ只中にいるが、将来を担う子供たちを初めとして多くの人が救援に立ち上がっている。福島原発は福島の人たちの電力の供給よりも、関東エリアの電力をその巨大なエネルギーでまかなってきた。東京都はもっと積極的に資金と救援の手を福島の人たちに提供すべきだろう。
 人間が想定するものなど笑うように大きな地震が「想定外」の力で起きた。こともなげに「想定外」と発表する政府と東電。人間の想定など吹けば飛んでしまった。天変地異のもと、新しいエネルギーである原子力放射線の脅威をもたらそうとしている。利用価値のある大きな原子核エネルギーは、危険と利便性の両羽の剣(もろばのつるぎ)である。この両羽の剣の、これからのあり方を、今、わたしたちは問われるのである。