某作家に私淑して
某作家に私淑している。
作品も、文体も、感服してしまった。
月に一回、お目もじして、先生指定の本を読む会に参加している。
崇拝する先生がどんな人かと思ったら、軽やかな人なのでびっくりした。
先生は躁うつ病を患っていて、生涯薬を飲まないといけないらしい。
月一の読書会に躁気味で出席するため、自ら薬の量を調節しているとか。
そのせいかどうか、とても陽気で楽しい授業になっている。
ヘミングウエイの短編集を読んだとき、私の感想をお気に召したのか、
すっかり名前を憶えられてしまい、次の楢山節考を読むときは、
「これはぜひ〇〇さんの感想が聞きたくて楽しみに今日は来た」と
のっけから偉い勢いで期待されてしまった。
それ以来、授業は先生とわたしのやり取りに終始してしまい、
ほかの人に申しわけないことになった。
わたしはもう舞い上がってしまって、帰りの電車の中で踊りだしたくなるほどだった。
だって、あの「先生」ですよ。
あの有名な作家の先生ですよ。
わたしは恋にも似た錯覚によっている。
読書に身が入ることはいること。
先生にはあと五回ほど生まれ変わらなかれば追いつかない読書量だけれど、
死ぬまで読書にまい進したい。
こんな愚にもつかぬことを書き散らすわたしも精神を病んだのかもしれない。
うん。
先生の後に続け!