今からさかのぼること○十年前。
小学生の頃、毎日日記を書きなさいと宿題が出た。書くことが苦手だった私は母に毎日「ねえ、お母さん!今日何書けばいいかなあ?」と尋ねる毎日だった。
ある日、面倒になって書かない日があった。
先生は私に雷を落とした。
そこで私は先生に「先生も生徒の日記を読んでばかりいないで、毎日書いて見せてください」と言った。
なにしろ私は真っ正直で単純な子どもだったので、思ったことを言ったまで。
「読むは易し、書くは難し」に尽きる。
どこにでもいるような普通の主婦にドラマティックな日常があるわけもない。隣の家を覗いても毎日変わったことがありそうもない。しかし、万人がブログを書き、ツイッターで何かをつぶやいているのだから不思議な世の中である。
電車の中でぶつぶつ、つぶやいても、誰も答えたり、合いの手を入れる人はいない。いないどころか変人扱いされるのがおちだ。それがひとたびパソコンに向かってつぶやくとごまんと答えが返ってくる。
つぶやきや、簡単な日記のようなものは、かみしも脱いで、パジャマ姿の文が書ける。
私もパジャマ姿で書くことがあるのだが、文はやたらにかみしもを着ている。いっそのことシャネルの5番だけを身に着けて書いてみようか。