書きまくることに
同人誌を脱会した。
添削してくれる人が「他人(ひと)の不幸は蜜の味っていうから、絵に書いたような,めでたしめでたし,はつまらないのよ」との評が毎回返ってくるのに嫌気がさしたからだ。
評者は無名の人。姑根性丸だしで、これでは良くなるものもならないと確信したからだ。 その人の色に染まるのも嫌だし、染められるのはもっと嫌だ。
どんなものか覗くだけと思って参加した。
作品を持って来いというので、エッセイを持っていった。
数人しか集まらないシケた文芸部だ。
私のエッセイが輪読され、合評があった。
それはあるエッセイコンテストで最優秀賞をとったものだった。
ひとりの女性は:
「つまらなかった。何も残らない作品だと思った」
との評があった。どこがどうつまらないか聞いてみたが答えはなかった。
次の女性は:
「なかなか味のある文でひねりもあって、クスッと笑える部分もあって面白かった」
との評だった。
文芸部の顧問の先生は:
「これはプロの文ですね。直すところはひとつもなく完璧です。ただし、エッセイではどんなにうまくても売れないから、小説を書きなさい。それも男女の絡みがあるものをかいてみるといいよ」
との評だった。
これだけのメンバーの文芸部では高校や中学の文芸部よりも劣ると思い、一回参加しただけでやめてしまった。
文を書くのに、何も群れる必要はない。ただ独りよがりの文では先がないと思ったから参加してみたのだったが、無駄足だった。