飛翔

日々の随想です

夏休みの宿題

夏休みになると思い出すのが宿題。
なにをやるのものろく、嫌いなことは後回しにする私は宿題は新学期が始まる一日前にするのだから大変。
一人でたくさんの宿題をこなせないので家族に手伝ってもらうことになる。
毎年の恒例行事のようになってしまった私の宿題。家族全員にどやされ、しかられ、こづかれ、いつも大泣きするのが年中行事。夏休み初日に家族全員から、今年は手伝わないから早めにやってしまいなさいと言われてもこれがやれない。
家庭科の宿題は母にやってもらって刺繍つきの素晴らしいエプロンを提出。寄木細工の宝石箱は姉の力作。算数と理科の宿題は父がねじり鉢巻でやる。図画の宿題は知り合いのお姉さんがわざわざ電車に乗ってかけつけてくれて水彩画を描いてくれた。

どれをみても小学生の私がやったとはおもえないものばかり。私が唯一やったのはお習字だけ。
みんなの苦労をなんとかねぎらおうと(?)カルピスを入れる私。冷たいカルピスで一息入れたみんなは氷のおかげか,やけに冷えた目で私をにらむ。すぐ上の姉は私の頭をちょんとこづいて
 「お茶碗洗う当番、一か月分、あなたがやるのよ」と恫喝する。
こんな夏休みの宿題がなくなった今、蝉の声をのんびり聞きながら「夏はやっぱりいいわねえ」などと言いいながら、かき氷を作り、上からカルピスを注ぐ。
 
 しかし、天罰は下るのである。
 宿題を人任せにした罰は、結婚してすぐ下った。姑が私に
 「夏の簡単服を縫ってくださらない?」
 と生地をどんと目の前によこしたからさあ大変。できませんと云うのが嫌いな私はミシンの前で冷や汗、脂汗をながすはめに。
あのとき、まじめにお裁縫をやっておけばこういうとき、「はい!お安い御用で」とミシンをジャーとかけてみせるのにと嘆いても、もう遅い。
 さて、どうしたかと云うと、何でも本を読む私。こういうときはお裁縫の本を読むに限るとばかり簡単な手縫いのドレスと云う本を借りてきて、裁断、裁縫。衿なし、袖なし、寸胴な夏の「超」簡単服を仕上げた。
 「お母様、如何でしょうか?」と良い嫁の仮面をかぶった私は言う。
「わー。素敵に出来たわね」と姑。
(わ!やれば出来るじゃない私!)と内心喜んだがその後がいけない。
「じゃあ、これもお願い!」とまたどんと新しい生地を持ってきた姑。
 とぼとぼと新しい生地を持ってまたミシンに向かう私。
 私っていつからお針子になったのだろう?実家の母が見たらさぞかしおどろくことだろう!
良い子の皆さん!宿題は人任せにしないできちんと早めにやりましょう!