飛翔

日々の随想です

天降(あまくだ)り来(こ)むもの

今日は久しぶりの雨だ。
 からから天気だったり、雪が降ったりと移り変わりが激しかったが、雨は久しぶり。
 雨の様子によっては家族を駅まで迎えに行かなければならない。
 外に出てしばし雨の降りしきる様子をみる。

昔の人は通い婚だったので、天気の良い日やうららかな日などは恋しい人を想って今来るか、今来るかと胸をときめかせていたのかもしれない。
 こんな歌を詠んだ人がいる。

つれづれと空ぞ見らるる思ふ人天降(あまくだ)り来(こ)むものならなくに
和泉式部)(『玉葉和歌集』)
 もの憂げに空をみやってしまう。想い人が空から降って来るわけでもないのに・・・
 和泉式部が物思いに沈みながら空をみあげるようすが目に浮かぶ。
 なんともけだるい春の日だったのだろうか?