飛翔

日々の随想です

「いること」こそが なににも まして すばらしい」

うららかな春の日もきまぐれで変わりやすい。
人の心もお天気に左右されるのか揺れ動く時期でもある。
新しい職場や学校やクラスメイトと交わるうちにあんなに張り切っていた気持ちがいつのまにか自信がなくなったり、不安になったりする。
「自分はなんてちっぽけなんだろう」とか「私って駄目だ」とか、「自分の存在理由が分からない」などと自信喪失したりしがちだ。
 そんなとき、まど・みちおさんのこんな詩を読んでみたい。

ぼくがここに

ぼくがここに

 『ぼくが ここに』まど・みちお著 童話屋より)

ぼくが ここに

ぼくが ここに いるとき
ほかの どんなものも
ぼくに かさなって
ここに いることは できない

もしも ゾウが ここに いるならば
そのゾウだけ
マメが いるならば  
その一つぶの マメだけ
しか ここに いることは できない

ああ このちきゅうの うえでは
こんなに だいじに
まもられているのだ
どんなものが どんなところに 
いるときにも
その「いること」こそが 
なににも まして
すばらしいこと として

 「どんなものが どんなところに いるときにも その「いること」こそが なににも まして すばらしい」
そう。この言葉を大事に心の中にあたためていたい。
この詩を声を出して読んでみるとムクムクと勇気がわいてくる。