- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1992/11/30
- メディア: 文庫
- 購入: 20人 クリック: 83回
- この商品を含むブログ (118件) を見る
マキャヴェッリの思想の抜粋。政治とは永田町界隈で繰り広げられるものでなく、持てる力をいかにすれば公正に、かつまた効率よく活用できるかの「技」ではないかと塩野氏は語る。
本書は現代にも通じるマキャヴェッリ思想の真髄の抜粋から論をひもといていく箴言集。
「天国へ行く最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである」
「必要に迫られた際に大胆で果敢であることは、思慮に富むことと同じと言ってよい」など。
まだ混迷の続くイラク、アフガン問題を思うとき、次の言葉が示唆に富んでいると思った。
指導者ならば誰でも、次のことは心しておかなければならない。それは
『個人でも国家でも同じだが、相手を絶望と怒りにかりたてるほど痛めつけてはならないということだ。』
「徹底的に痛めつけられたと感じた者は、もはや他に道なしという想いで、やみくもな反撃や復讐に出るものだからである。
ーー『政策論』ーー
古くて新しい「マキャヴェッリ語録」。
現実を直視した組織のリーダーにとって必要な「知恵」が本書にあると言ってよいと思う。