飛翔

日々の随想です

すべてはかけがえのない存在


まど・みちおさんのこんな詩を読んでみた。

ぼくが ここに

ぼくが ここに いるとき
ほかの どんなものも
ぼくに かさなって
ここに いることは できない

もしも ゾウが ここに いるならば
そのゾウだけ
マメが いるならば  
その一つぶの マメだけ
しか ここに いることは できない

ああ このちきゅうの うえでは
こんなに だいじに
まもられているのだ
どんなものが どんなところに 
いるときにも
その「いること」こそが 
なににも まして
すばらしいこと として

(『ぼくが ここに』まど・みちお著 童話屋より)

「どんなものが どんなところに いるときにも その「いること」こそが なににも まして すばらしい」
そう。この言葉を大事に心の中にあたためていたい。
この詩を声を出して読んでみるとムクムクと勇気がわいてくる。

まどさんはこの世界(宇宙)にあるすべてのものは「あるがまま」に存在し、「自分が自分であることの喜び」に満ちあふれている」と言う。
まどさんから見ると、ぞうさんもくまさんも、キリンもアリも、つけもののおもしや、空も木も、みんな「自分に生まれてきたこと」を喜んでいるのだ。
石ころも草も世の中にあるものはすべて同じ価値でそれぞれに尊く、存在に意味があると考えるのだ。

生きているって素晴らしくて嬉しくて何て尊いのだろう!
人間は自分も含めていろいろな面を持っている。一人の人に悪も善もある。さまざまな過去を背負って生きている。
 コンプレックスやストレスを抱えて、それが自分を逃避させたり、逆に人を攻撃したり、世の中を呪ったりする。
 「自分はなんてちっぽけなんだろう」とか「私って駄目だ」とか、「自分の存在理由が分からない」などと自信喪失したりしがちだ。
 そんなとき、まど・みちおさんの詩を読んでみたい。
生きとし生きるもの、「すべてかけがえのない存在」です。
もちろん、「あなた」もかえがえのない存在だということ忘れないでね。