飛翔

日々の随想です

101歳の詩人 柴田トヨさんを偲んで


 98歳で発表した初の詩集「くじけないで」がベストセラーになった詩人の柴田トヨ(しばた・とよ)さんが20日午前0時50分、老衰のため宇都宮市の老人ホームで死去した。101歳。栃木県出身。自宅は宇都宮市。葬儀・告別式は24日午前10時から宇都宮市川田町1077の4、川田市民ホールで。喪主は長男健一(けんいち)氏。92歳から詩作を始め、「くじけないで」は150万部超。2011年に詩集「百歳」を出版した。(kyoudou Newsから)

 先日黒田さんが75歳で芥川賞受賞されたニュースで何歳になっても可能性は無限大だと大いに励まされたが、さらに年上、98歳で詩集を出された柴田さんだった。101歳の大往生である。
 柴田さんのベストセラーになった詩集の書評をここに再掲載して、柴田さんを偲ぶことにする。
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人には苦しくてどうしようもないときがある。そんなとき、たった一言が支えとなってつえとなってくれる。
 今日は九十歳を越えたとき、詩を書くようになったという現在99歳の柴田トヨさんの詩集を紹介しようと思う。

くじけないで
柴田 トヨ
飛鳥新社

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柴田トヨさんは、1911年(明治44年)栃木県生まれ。裕福な穀物商の一人娘だったが、十代の時家が傾き料理屋に奉公に出された。三十三歳のとき結婚。健一を授かる。1922年に夫と死別。現在一人暮らし。
   あなたに
出来ないからって
いじけていてはダメ
私だって 九十六年間
出来なかったことは
山ほどある
父母への孝行
子供の教育
数々の習いごと
でも努力はしたのよ
精いっぱい
ねえ それが
大事じゃないかしら

さあ 立ち上がって
何かをつかむのよ
悔いを
遺さないために

   朝はくる
一人で生きていく
と 決めた時から
強い女性になったの
でも 大勢の人が
手をさしのべてくれた
素直に甘えることも
勇気だと わかったわ
(私は不幸せ・・・)
ため息をついている貴方
朝はかならず
やってくる

朝陽も
射してくるはずよ

人知れず歯を食いしばって耐えてがんばっているあなた、100歳になろうとしている柴田トヨさんの言葉に勇気と励ましをもらってください。
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 柴田トヨさんが多くの人に愛と励ましを残してくれたこの詩集に感謝し、心よりご冥福をお祈りします。合掌