飛翔

日々の随想です

隣のカキはよく客食うカキ?


 卒業試験に向けて日曜日も夜7時まで学校へ行っていたけれど、10月にある論述試験に向けて自宅学習を続けている。学校へ行かない分、体が楽だ。満員電車に揺られて、早朝から夜遅くまで神経をすりへらしていた実技試験は本当に精神的にも肉体的にも過酷だった。
 今は解放されて、朝寝坊できるのは、気分がいい。ちょっと心に余裕が出来たせいか、ケーキなんぞを焼くこともできるようになった。
 昨日は一日勉強する予定にしていたらハプニングが。
 夫の友人二人が我が家に突然遊びに来た。ちょうど前日の夜中にケーキを焼いたので、お茶のしたくはまずまずできた。
 客人をほおっておいて、机にかじりついて勉強しているわけにもいかず、接待するために歓談していたら、
 「面白い奥さんですね」
 と褒められたのか、けなされたのかわからないような言葉を頂戴した。
 楽しく興に乗って夕方頃までおしゃべりが弾んだ。
 「またどうぞお寄りください」
 などと調子の良い言葉をいってお別れしたら、
 「ではそうさせてもらいます」の返答があった。

 我が家は夫の友人たちが押し寄せてくる家だ。いろいろなジャンルの人たちが集まってきて、それはそれは楽しい。
 楽しいけれど、接待する私は神経がすり減る。お酒の用意、おつまみ、粗飯の支度。
 珍しいゲストが来る日は話題も滅多に聞けない貴重なものだったりする。さる要人のそばに仕える人の時は、オフレコのとっておきの話になる。
 しかし、今は10月の卒業試験に向けて大事な時だ。
 「どうぞどなたもお見えになりませんように」
 私は祈っているが、祈りは届かないようだ。明日もまた客人がみえる。
 あしたは、どんな料理を作ろうか?
 ああ、ため息が出る。