飛翔

日々の随想です

貧者は書に因(よ)りて富み、富者は書に因りて貴し


文庫本を買うと、本屋がカバーをおかけしますか?と尋ねる。
断ったり応じたり。
カバーの素晴らしいものを発見。
それは長野県長野市にある長谷川書店のそれである。
カバーの図は流れるような草書体の漢詩が配されている。
その漢詩がまったくにくい!!!!
読書子の琴線にふれるにくい詩である
それを紹介しよう。
王荊公勤學文(おうけいこうのくわんがくのぶん)(王荊公は宋の王安石

書を読むに費(つひえ)を破らず、書を読めば萬倍の利あり。
書は官人の才を顕し、書は君子の智を添ふ。
有れば即ち書楼を起(た)て、無ければ即ち書櫃(しょき)を致せ。
窓前に古書を看(み)、燈火に書義を尋ねよ。
貧者は書に因(よ)りて富み、富者は書に因りて貴し。
愚者は書に因りて賢に、賢者は書に因りて利あり。
只書を読みて栄ゆるを見るのみ。書を読んで墜(お)つるを見ず。
金を売って書を買ひて読め。書を読んで金を買ふは易(やす)し。
好書は卒(つひ)に逢ひ難し。好書は眞に致し難し。
読書の人に勧め奉る、好書は心に在りて記せよ。