飛翔

日々の随想です

2010年を振り返って(私が選ぶ五冊)

今日はみぞれ交じりの雨が降る寒い日だった。
 いよいよ余すところあと一日。お正月をふるさとで過ごそうと帰省される方、海外で過ごそうと日本脱出の方、みんなそれぞれのお正月を楽しみに、2010年を終えようとしている。
 我が家は大掃除もすみ、おせち料理も、作り終え、久しぶりに余裕の夜をすごしている。明日の大晦日は、ゆっくりとできそうだ。
今年を振り返ると、思いがけないお客人を我が家にお迎えして楽しいひと時を過ごしたことが印象に残る。歌人松村由利子さんご夫妻が住み慣れた千葉を離れ、沖縄に居を構えることになり、その引越しの途中に我が家に足を伸ばしてくださったのだった。ご夫妻とも、十年来の知己のように和やかに食卓を囲み話が弾んだのはうれしいことだった。また翻訳家の柴田元幸さん、今は亡き向田邦子さんの妹さんの向田和子さんにお目にかかれたことも大変うれしい出来事だった。
 ノンフィクションライターの黒岩比佐子さんが急逝されたことは骨身にしみて悲しくショックなことだった。お亡くなりになるほんの一ヶ月前に神田神保町の書店で講演会が開かれ、名古屋から駆けつけたが、にこやかに「ろこさん、いつも応援してくださってありがとう」と手をぎゅっと握ってくださった。熱田神宮のお守りをお渡しして病気快癒を祈った矢先、急逝の知らせが入り絶句した。

2010年10月16日『パンとペン』刊行記念講演会を終えてほっとにこやかな笑みがこぼれた在りし日の黒岩比佐子さん。
 まじめに誠実に生きてこられた才能ある方に、神はなぜその命を奪っていかれたのだろうか。まだまだこれからいくらでも書きたいことがあっただろうにと詠嘆する。
 仕事としては新年早々、書評の仕事が入って張り切った。肩の力が入りすぎて柔軟な文を書くことができずに反省。
 旅もした年だった。イタリア、アマルフィの旅。エジプトの旅である。絶景と歴史をめでる旅となった。

三大ピラミッド

アマルフィ海岸
本もたくさん読んだが、私が選ぶ今年の傑作本五冊は:

北村薫の創作表現講義』と『ある小さなスズメの記録』の書評はまだ書いていないが、近いうち書くつもりであるが、本当に傑作である。
 今は亡き、黒岩比佐子さんがご自身のブログのコメント欄に私のブログをご覧になって「読書量の多さに驚いた」と書いてくださって感激した。しかし、読書量の多さと読み込みの深さでは他の追随を許さない黒岩さんの言葉は文字通りというよりは、私への励ましの言葉と解釈し、来年はさらにしっかりとした読書にまい進しようと心の中で、黒岩さんに誓った。
 というわけで、早足で今年一年のわが身のなしたことを振り返ってみた。
 来年はとにかく本をしっかりと読んでいこうと思う。そして健康に留意したいと切に思う。
 肩の力を抜いて柔らかな風が吹き抜けるようになれればいいと思う。
 皆さんも、くれぐれも健康には留意なさってくださいね。