飛翔

日々の随想です

朝顔につるべ取られてもらい水



   真夏日が続く。
 今日は朝顔の苗を買ってきた。濃い紫と赤。
 毎年、父と母は朝顔を植えて夏の朝に咲くのを楽しみにしていた。これは二人が新婚のときからの慣習となっていたというから長い夏の楽しみである。
 朝顔をみると夏が来たなあと思う。
 朝顔につるべ取られてもらい水
さてこの句の作者について:
この句の作者は加賀千代女(かがのちよじょ、1703年(元禄16年〜1775年10月2日(安永4年9月8日))俳人加賀国松任(今の白山市)で、表具師福増屋六兵衛の娘として生まれた。
12歳の頃、岸弥左衛門の弟子となり、17才で各務支考(かがみしこう)に才能を認められ全国に名を知られるようになった。20歳の時夫に死別し生家に帰り、30才の時京都で中川乙由にあう。画を五十嵐浚明に学んだ。52歳で剃髪して尼となり、素園と号した。
「髪を結ふ手の隙あけてこたつかな」晩年には剃髪。72歳の時蕪村の「玉藻集」の序文を書き、1775年(安永4年)73才で歿。
辞世の句は
・月も見て我はこの世をかしく哉
加賀千代女は朝顔を多く歌っている。
・あさ顔や蝶のあゆみも夢うつゝ
朝顔や宵から見ゆる花のかず
・あさがほや帯して寝ても起はづれ
・朝がほや宵に残りし針仕事
※上に揚げた句
朝顔に つるべ取られて もらい水
は35才の時に、朝顔や〜 と詠み直されている。

夏の朝、早起きしてラジオ体操に行く頃になると路地には朝顔が咲き始めている。紫や赤や斑入りの朝顔が美しかったのを思い出す。
 私も千代女の俳句に倣って一句詠んで見た。

 ・朝顔のスタンプ嬉し いち、に、さん