海へ行くと貝殻を拾う。
好きな詩人 新美南吉は美しくはかない詩、作品を多く書いた。
人は誰でも心のうちにかかえた悲しみをそれぞれに癒したり耐えたりして生きていく。
そんな内なる悲しみを貝殻に、心を温めようとする南吉の詩を静かに味わってみたい。
貝殻
かなしきときは
貝殻鳴らそ。
二つ合わせて息吹きをこめて。
静かに鳴らそ、
貝がらを。
誰もその音を
きかずとも、
風にかなしく消ゆるとも、
せめてじぶんを
あたためん。
静かに鳴らそ
貝殻を
※誰にいうこともならず、ひとりひっそりと悲しみを胸に抱いている人へ。
あなたの悲しみや痛みが少しでもやわらぎますように。