書斎の鍵 (父が遺した「人生の奇跡」) | |
喜多川 泰 | |
現代書林 |
わずか半日で読了した本である。
読みやすさと、内容の濃さと、おもしろさにぐいぐい引き込まれた。
事故で右手に障害が残ったサラリーマン浩平は、ある日突然父の訃報のため郷里に帰る。
そこで彼は亡き父の遺言を受け取る。
遺産は父の書斎。しかし、書斎を開ける鍵は「しかるべき人」に渡してあると書き残してあった。
読書嫌いの彼に書斎は無用の長物としか思わなかったけれど、遺言にあった「しかるべき人」を探して鍵を見つけたいと思う。
そんな書き出しから最初は「書斎の鍵」を持っている人を探すミステリータッチで読者を惹き付けるが、
しかし、本書はそんな簡単なものでなく、人生でもっとも大切なものは何か、主人公と読者が共に気づきを得るストーリーである。
人生で常に逃げ場を持っている人がいる。苦しみがあるたびにその逃げ場に潜り込み、言い訳をし、逃げることで幸せを逃がしていることが多い。しかし、いつかその逃げに気がついてそこから抜け出して幸せを掴んで欲しい。
そんな願いと「読書の習慣」とをからめて人生で大切なことは何かを問う物語である。
「本には未来を変える力がある」「読書の習慣で人生は劇的変わる」
頭の中にこれらのフレーズが回っていく。
読書嫌いな人がこれを読み終えたら、すぐ書店に走って行きたくなるだろう。
この本一冊が、あなたの人生の扉を開く鍵となれたらいいと思います。