飛翔

日々の随想です

梅干人間

 アマチュア無線のタワーに鳥が巣を作った。

 タワーは30mもの高さだけれど、これがリモートコントロールで上げ下げでき、下げたときは地上9mの高さになるすぐれもの。そのモーター部分の袋の中に鳥が巣を作った。

 以前はアンテナを支えるマストパイプを取り替えるとき、パイプの中にひからびた鳥のミイラがはいっていたことがあった。
 直径5cmのパイプの中に鳥が入ったは良いけれど、羽をとじたまま上に出ることができなくなって死んでしまったらしい。
 それを防ぐために今はパイプには空き缶をつめて、テープでとめてある。

 袋の中は雨露がしのげて快適らしく、鳥が巣を作ってそれが孵化したらしい。
 親鳥が餌をくわえてせっせとひなのところに帰巣する。

 巣を取り払うこともできず、そのままにしておいたら、鳥がやけにやかましくなくので外へでてみたら、ひなが地上に落ちて死んでいた。
 しかたがないので金魚のお墓の横に鳥のお墓を作ってやった。

 あとでよく考えたら、天国で金魚は鳥に食べられてしまうかもしれない。
 金魚のお墓の隣はよくなかったと後悔。

 そういえば、子供の頃どんぐりのお墓を作って埋めたら芽がでてきた。
 それに気をよくしたお馬鹿な私は梅干のお墓を作って梅干を埋めたけれど、芽が出てこなかった。

 私はこの世に生まれてきてまだ一回も芽がでない。
 どうしてだろう。
 きっと私は梅干人間なのだろう。
 だから芽がでないのだ。
 納得。