愛犬の散歩で仲良しになった小さな女の子。
無防備で疑うことを知らない純な瞳。
一緒に並んで原っぱに座る。
大きくなった私が小さかった昔の私に出会ったような錯覚におちいる。
二人とも子どもと大人という感覚がない。
野原でであった友だち
一緒に四葉のクローバーを探し、
夕日と共に別れていく。
ただそれだけ。
そこに意味などふたりとも考えない。
野原の向こうとこちらから
「やぁー」と手を振って転がるように犬とかけてくる。
人間は何かに意味を考えようとするけれど、
日常の一瞬をありのままに素直に過ごせばいい
「さようなら」と女の子と別れるとき
ふわりと柔らかな風がとおりぬける
何も考えず犬と遊び
花を摘み
女の子と笑みをかわす
ここちよい極上のひととき。
良寛さんもきっとそんなここちだったのかもしれない。
遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば 我が身さえこそ動(ゆる)がるれ
(梁塵秘抄 巻第二 四句神歌 雑)