飛翔

日々の随想です

お正月を前に嫁姑問題の解決法は?


ふるさとでお正月とクリスマスの両方を過ごせる方は幸せです。
女は親戚づきあいの行事では台所をこま鼠のようにしていなければなりません。
料理を作って片付けて、めったに逢わない嫁同士が台所をうろうろ。
お風呂の順番に気を使い、寝具の出し入れと大変です。

長男の嫁は一年に数回しか来ない兄弟とその一族の面倒を一気に見て、料理を何十人分も作り準備万端整えたところへひょっこり兄妹たちがやってくる。お給仕をし後片付けをしてと盆暮れは死にそうです。
私?私は三男のところへお嫁入りした身。
ああ、それなのに!それなのに!
どうしためぐり合わせでしょうか?長男次男は他県に。三男の我が家の隣に夫の両親が居を構えたからさあ大変! 嘆くまい、愚痴るまい。
 年末の大掃除二軒分を終え、次は髪を振り乱して数十人分のおせちを一人で作り終わった頃をみはからったように長男家族の到着、そして次男家族も到着、そして私と同じ年の小姑。

 あるお正月。
 懐石料理教室で習った表千家のお正月料理をミニ懐石のようにして八寸盆に盛り付けました。
 百合根を薔薇の花のように飾り包丁をし、ゆずを入れ物に見立てて刺身を盛り付け、海の幸、山の幸を盛り付けた懐石盆。
 杉の八寸盆は懐石料理の先生に注文して作ってもらった特注品。
 苦労して数十人分盛り付けたところで、甥っこ(長男の子ども)がいきなり「こんなの口にあわない!」と叫んだ。
 もうお膳をひっくりかえしてやろうかと思ったのをぐっとこらえたお正月。
・・と愚痴って爆発しそうな年月が経ったある日、とうとう爆発してしまいました。
 長男家族、次男家族、小姑家族、両親、私たち一家のおせちを一人で作った私はもう年末からグロッキー。お給仕をし、料理を運び、お酒の用意、次々と用事をおおせつかる私は無休のお手伝いさん。
 兄たち家族の子供がぐずりだして、子供の好きなハンバーグを作るよう仰せつかったから爆発です。
 
「自分たちでできる料理は各自の家族が持ち寄るか、手伝うこと。自分の子供の好きな料理ぐらいは人頼みにしないこと。全員で支度し、片付け、大変なことや、それだけでなく、楽しみは分け合うこと。」

 そんな提案を冷静に全員に言ってみました。長年思っていたことです。
 遠慮して、良い嫁のふりをしたため、不愉快な感情が堆積していたのです。
 この堆積していた不愉快な感情は、毎年毎年、まるでマイレージかスタンプを集めるように集めていたのでした。

            ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 心理学ではこのように感情を貯め込むことを「スタンプ集め」と言います。
 これは買い物をしたときにもらうスタンプから付けられた呼び方で、商品と交換できるまで感情を貯め込んでおくという意味です。
 悪感情は「茶色のスタンプ」、良い感情は「金色のスタンプ」といいます。

 私が爆発したのは小さな怒りという「茶色のスタンプ」を何年も貯め込んで、ある数までスタンプが溜まったら景品と交換できるかのごとく、「さあ、これだけ我慢したのだから怒るぞ」と感情を爆発させたのです。
 さて、周りの長男・次男、小姑、義両親たちは水面下で私が「茶色のスタンプ」を集めていたことなどしるよしもありません。
 [結論です!]
 こうした「茶色のスタンプ」集めをしないためにも、嫁姑、義理の兄弟たちとの関係を円滑にするためには、日頃から率直なコミュニケーションが大切ですね。
 意地を通すための主張ではなく、自分の素直な考え方を相手に伝えることが大切です。伝えるだけでなく、相手の主張、考え方もまっすぐに受けいれることが大切です。そこからコミュニケーションが始まり重なり親密な関係が結ばれるのです。

さてさて、うちわの恥をさらしてしまいましたが、思い切って自分の考え方を伝えたところ、すんなり各自が気持ちのよいコミュニケーションが弾みだしました。みんなが得意料理を持ち寄り始めたり、積極的に男性陣が片付けをしてくれたりと,
てんてこ舞いだった私の月日は,いったい何だったのだろうと今は笑い話になっています。