人はなにか問題やトラブルを抱えたり,状況を改善したいと思うとき、どうしますか?
現状がこのようになったのはなぜかと原因を考えることがありますが、ブリーフセラピーは、原因をかんがえるのでなく、
「現在何に困っていて、それがどうなればいいのか」に焦点を絞って具体的に状況や行動を変化させていくための解決志向アプローチをとっていきます。
1930年代、アメリカのM・エリクソンが実践した技法や考え方から発展したもので、できるだけ短期間(ブリーフ)に問題を解決する短期解決志向方法をいいます。
例えば、怪我をした人がいるとします。
「何で怪我をしたの?どうしてなの?」
と原因を聞くよりも、一刻も早く手当をして、血を止めるとか、消毒することが先決ですよね。
消毒薬は?包帯は?意識はある?
つまり、原因を探るよりも、傷を一刻を早く治すこと。つまり、どうなればよいのかに絞って短期に解決方向へ向かうのがブリーフセラピーなのです。
それでは具体的な例をあげてみましょう。
例えば、
「宿題を切羽詰らないとやらない(提出日直前にならないとやらない)子供をどうすればよいか」という悩み・問題がある場合。
なぜやらないのと原因を探るのでなく、
「どのような行動をとりたいのか」を具体的に明確にしていきます。
つまり具体的な解決の姿を「良い目標」(ウエル・フォームド・ゴール)として整理していきます。
四つのポイントをあげてみましょう。
1、目標は「せっぱつまらないとやれない」などの否定表現でなく「余裕を持って行動できるように」などの肯定形で表現すること。
2、目標は大きなことでなく、小さな目標であること。(いっぺんに片付けるのでなく、一日一時間やるなど)
3、目標は具体的な(言う、見る、する)「行動」と、4W2H「いつ、どのくらい」などの数字で表現すること。
いつ?(提出日の1週間前までにする)4w2H(毎日、できたら計画表にチェックを入れる。第3者にもチェックしてもらう)
4、その目標が実現されるときに交わされる会話や自分、相手、周りの人が言うセリフまで明確にすること。
(お母さん、僕、できたよ。母:やれば出来るでしょ。先生:よく頑張ったね、すばらしいね)
このように、問題解決や課題達成のためには、良い目標(ウエル・フォームド・ゴール)を作って、解決を探し、実行することが大切なのです。
ブリーフ・セラピーのアプローチ:
中心哲学
1、うまくいっているのなら、変えようとするな。
2、 もし一度やって、うまくいったのなら、またそれをせよ。
3、 もしうまくいっていないのであれば、もう繰り返すな。違うことをせよ。
さらに解決する方向への道はいろいろな質問や介入の技法を用いて解決への構築を目指していきます。
「私は✖✖だ」(私は頑固な性格だ)といった、自分についてのマイナスのラベリングをしている人がいたら、上に書いたやり方で良い目標(ウエル・フォームド・ゴール)を作って解決策をさがして、実行してみてください。
あなたならやれます!