- 作者: 寺山はつ
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/03/01
- メディア: 文庫
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これが実にいい本で驚いた。
寺山修司の短歌や詩などからお母様はとっくにお亡くなりになっていたと思っていたらご健在。
・母もつひに土となりたり丘の墓去りがたくして木の実を拾ふ
・音たてて墓穴深く母のかんおろされしとき母目覚めずや
青森高校一年生のときの作品である。
ご母堂はてっきり亡き人と誰もがおもうだろう。
創作を生業(なりわい)とするものの仕業(しわざ)。
寺山修司は北海道へ修学旅行へ行った折、土産に熊の木彫りを母に買った。
しかし、離れて暮らしていた母には何十年も渡さないままだった。
母がなぜすぐくれなかったのか尋ねると少ない小遣いで買ったのであまりにも小さくて恥ずかしくて渡せなかったとのこと。
なけなしの小遣いをはたいて母の為に買った土産だったのに・・・・
そして母はと言えば寺山少年との生活費を稼ぐ為、遠く離れたところで一人血みどろになって働いていたのだった。
逢いたい、会いたいと思い続けていた母と息子。
花売車
どこへ押せども
母貧し
これは寺山修司が母に贈った詩