「ふるさとは遠きにありて思ふもの」
小景異情
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食(かたい)となるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや
(「抒情小曲集」より室生犀星)
※お正月をふるさとで過ごそうと、お土産を持って帰省していく人たちの笑顔がニュースで流れる。
父母が遺してくれたふるさとの土地を手放してしまった私にはもう本当に「ふるさと」はなくなってしまった。
この室生犀星の詩を涙して朗詠する今宵、外は冷たい風が吹いている。
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや
来年は戦争がなく、病で苦しむ人がないような日々を過ごせるよう祈りたい。
新しい年が明るく、よりよい年になるよう祈りましょう!