小景異情(その二)
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食(かたい)となるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや
(「抒情小曲集」より室生犀星)
※お正月をふるさとで過ごそうと、お土産を持って帰省していく人たちの笑顔がニュースで流れる。
父母が遺してくれたふるさとの土地を手放してしまった私にはもう本当に「ふるさと」はなくなってしまった。
東日本大地震と津波で家や家族を亡くした人の胸の内を今想う。
この室生犀星の詩を涙して朗詠する今宵、外は冷たい雨がふっている。
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや
東日本大震災の被災地の皆さん、新しい年が明るく、よりよい年になるよう祈りましょう!
日本全国のみんなが祈ります。